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道徳授業原論 の商品レビュー

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2023/04/26
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道徳とは何か。深澤先生が深くまで道徳を追求されたということがありありと感じられる1冊である。 道徳の指導要領を見ると、道徳性といった言葉が使われており、正直なところ意味がよくわからない。この意見に大いに賛成した。そこで深澤先生は、だからこそ教師それぞれが自由に解釈できると述べている。まさに教師の力量が試されるわけである。 また深澤先生は、道(道徳的知識)と、徳(道徳的技能)の双方を習得させることが道徳教育であるとしている。前者は授業で、後者は日常場面でということになる。これも分かりやすく、授業では「心構え」をつくることが目標となる。 ではその心構えができたかどうかをどう見取るか。1つはその後の子どもたちの様子である。振り返りの文章もだが、授業後から言動が変わったかどうかを見ていると良い。2つ目は、個の追求があるかどうかである。例えば深澤先生のクラスでは、道徳の授業があった日の宿題の日記にて、男女差別や戦争について自分なりに調べてきていることもあったとのこと。要はこちらがどれだけ、子どもにとって価値あるものにできるか。この部分が大きいように思う。 また道徳授業は、もともとある年間計画に示された通りにやっていくのではなく、目の前の子どもの実態を踏まえて、「子どもたちをどのような人間にしていきたいのか」という教師の率直な願いが肝心である。ねらいは教師の願いの表明。 授業の指標は3つとの出会い。 ①新たな事実②新たな思考③新たな自己 授業は①徳目強化型と②課題追求型の2つに分かれる。後者の場合、教師自身の見解を持つことが重要。また1時間完結型ではなく、集合型単元にて複数の徳目をおさえることができる。 好きなエピソード。P.78 失敗した時に、自分が試される。 非現実な綺麗事を排除する。 授業は子どもたちに「受ける」ことを強制する。 犬と人間の違いは… 驚きのエー! 自分を鍛える中で自身の力をより強大にし、その力を社会的・人道的に正しく発揮しながら幸せな人生を創出するためにかけっこをする。九九をする。歌を歌う。 変動を生む。 個の追求。 やっぱりすごい、深澤先生。勉強になる。 日々精進する。

Posted byブクログ