夜陰譚 の商品レビュー
ちょっと変わった雰囲…
ちょっと変わった雰囲気の作品。あえて分類するならホラーなのだけど、ひと味違う。
文庫OFF
表紙からして雰囲気あ…
表紙からして雰囲気あります。氏の作品を読むのはまだ2作目。氏は女性の心の奥底の陰の部分の描写がとてもうまいです(先日、鬼女の都を読んだ時も切に感じましたが)。夜陰譚もテーマの女の狂気に、じわっと纏わりつく様な闇がどの短編にもあって、怖さが増しています。女の狂気に恐怖を覚えますが、...
表紙からして雰囲気あります。氏の作品を読むのはまだ2作目。氏は女性の心の奥底の陰の部分の描写がとてもうまいです(先日、鬼女の都を読んだ時も切に感じましたが)。夜陰譚もテーマの女の狂気に、じわっと纏わりつく様な闇がどの短編にもあって、怖さが増しています。女の狂気に恐怖を覚えますが、一瞬自分の心の奥に目を向けてみたくなる→そしてちょっと苦笑いみたいな(笑)。「つぐない」が一番ぞくぞくきて、「和服継承」や「桜湯道成寺」は和服とそれを取り巻く雰囲気にとても美を感じました。端々の表現がが美しくため息モノです。
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屈折した心理を描いた…
屈折した心理を描いたホラー短編。著者の他の作品は読んだことがなくよく知らないが、おそらく底意地が悪そうな人なんだろうと思わせる読後感は、ホラー作家としては必ずしも欠点ではないのかもしれないが、他作を読む気にはなれなかった。
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三十路で肥満しているOLの私は、街の灯りを避けて入り込んだ路地裏で電柱に刻まれた傷痕を見つけた。それは刻む者の感情を汲み取り、望む姿に変身させてくれる力を持っていた【夜陰譚】、DVの取材のために会った相手は快活で親しげな女性だったが……【つぐない】、老いた日本舞踊家が語る、自らの...
三十路で肥満しているOLの私は、街の灯りを避けて入り込んだ路地裏で電柱に刻まれた傷痕を見つけた。それは刻む者の感情を汲み取り、望む姿に変身させてくれる力を持っていた【夜陰譚】、DVの取材のために会った相手は快活で親しげな女性だったが……【つぐない】、老いた日本舞踊家が語る、自らの半生と妖しくも美しい記憶【桜湯道成寺】他、女性の胸の内に秘められた闇と幻想、恐怖を描いた短編9編を収録。 「女」というものの怖さを描くのは女性作家の方が巧いというのは当たり前なのかもしれないが、この著者の場合、例えば他の女性作家のように主人公がある日突然悪夢のような状況に巻き込まれていくというような、モダンホラー短編ではそれこそありがちな作品よりも、一人称で語られる妖しく凶々しくそして美しい過去―のような作品で本領が発揮されているような……言い換えればそこがこの著者の作品の、味わうべきポイントではないかと思える。
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夜陰譚 あちらへ3回行けば変わる。 つぐない フリーライターが虐待の現状に迫るが。 螳螂の月 夢で蟷螂に魅せられた女。 白い手 雑用ばかりの女が大抜擢。 着物 着物に魅せられた叔母と私。 桜道明寺 美人の湯 お互いに顔を知らぬ三人の女が「美人の湯」で語らう。 雪の音 ...
夜陰譚 あちらへ3回行けば変わる。 つぐない フリーライターが虐待の現状に迫るが。 螳螂の月 夢で蟷螂に魅せられた女。 白い手 雑用ばかりの女が大抜擢。 着物 着物に魅せられた叔母と私。 桜道明寺 美人の湯 お互いに顔を知らぬ三人の女が「美人の湯」で語らう。 雪の音 順不同
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女性の悩み、執念、情念の怖さを描いたホラー短編集(9編) 「夜陰譚」・・・肥満に悩む女性が知らぬうちに行き着いた不思議な空間は、三度訪れることができたら今の身を捨てて違うものに変われるという場所だった。女性は綺麗なガラスになりたいと願い・・・ 「つぐない」・・・DVについての取材...
女性の悩み、執念、情念の怖さを描いたホラー短編集(9編) 「夜陰譚」・・・肥満に悩む女性が知らぬうちに行き着いた不思議な空間は、三度訪れることができたら今の身を捨てて違うものに変われるという場所だった。女性は綺麗なガラスになりたいと願い・・・ 「つぐない」・・・DVについての取材をする典恵は取材のなかでDVを受けていたという津和子という女性と知り合う。答えにくいインタビューにも素直に応じ、またとても人が良く親切な津和子だが・・・ 驚かすような、あるいは気色悪いモノがでてくるホラーではなく、人の(女性の)内面におけるどろっとした部分を見る恐怖を感じる。 女性の持つ悩みは現代的であったり、日常のものが多く、特に容姿については同性だからこそ描けた部分もあるだろうし、官能にある恐怖もまた同様だろう。 幻想的なところもあり、直接的な怖さはないがじわじわと来るものがある作品集。
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短編集なのですが、どれも女の執念とか怨念でどろどろな雰囲気満点で、涼しくなりました。とくに表題作の「夜陰譚」がよかったです。もう一つの世界に三回行ったら自分のなりたいものになれるという話。木とか、ガラスとか。いいねー。ガラス。かわいい女の子だけの特権な感じで。あたしだったら何だろ...
短編集なのですが、どれも女の執念とか怨念でどろどろな雰囲気満点で、涼しくなりました。とくに表題作の「夜陰譚」がよかったです。もう一つの世界に三回行ったら自分のなりたいものになれるという話。木とか、ガラスとか。いいねー。ガラス。かわいい女の子だけの特権な感じで。あたしだったら何だろう。木とか自然のものが気持ちよさそうでいいなあ。
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短編集。FTというか幻想文学っぽいのですが、なんかとっても怖い本です。どの作品も女性の陰の感情が全開で描かれていて、菅さんてすごい(…怖い)!と思った作品集でした。
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