家庭科が狙われている の商品レビュー
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2004年刊行。◆この本自体は、些かキャッチーなタイトルで、また、余りにフェニミズム的発想がか強すぎて、そこはもはや男女平等ですらなく、女性上位の世の中こそが正しいという風に読めそうなところがあるので、うーんと言わざるを得なかった。しかし、そもそも、こういうマイナー教科の重要性に光を当てた点と、ここでなされる検定が持つ政府・文科省も思惑と、その負の意味を顕わにした点は評価したい。
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この本は、「性別役割分業論」というものがどのように生まれたかをよくわからせてくれたことでした。 そして、なるほど…今もそうだけど、「家庭科」って国の政治や経済に思いっきり左右させられているなぁ…なんて思わされることがいっぱいですが、あ…昔からなんだ…とシミジミ思わされました。 166ページにこう書いてありました。ごめんなさい。語尾は違うかも… 家庭生活に関することを私的なことがらとして、後方においやったり、軽視したりするのは、日常の生活文化に携わってこなかった男性の考え方が基になって構築してきた、近代学校の生活そのものに原因がある。学校というものが、ジェンダーバイヤスの下にあるからである。家庭科が正当に位置づけられるためには、ジェンダーバイヤスを克服した学校が創生されなければなりません。 ホント…そう思います。 ただ、こんな風に書いてある話を拝見したことがなかったので、驚きでした。 ここに書かれている流れと正反対の政治の流れを今作ろうとしているんだ…と思わされながら、ホント…経済や政治の流れに大きく左右されている教科内容だなぁ…とは思いますが、そんな政治等に左右されて教えなければならない…なんていわれている内容は全教科の中で最先端の左右され方で、時代の最先端…今の世の中で必要とされることを扱っている教科の割に、その教科自体が大切に扱われていないなぁ…なんて思わされます。 高齢社会への対応や少子化への対応、消費者教育などなど…時代の課題を扱う教科としてある割りに…高校での履修状況は、2単位か4単位の必修科目のいずれか?というと、2単位での実施校が多い。イコール、国の政策として求めている内容を国民が学べる機会は少ない状況を作っているということ。国が何を言っても、何をやっても…意向は通じにくく、遅れ遅れて…という一因をになっているかもしれないと思わされました。 2単位で盛りだくさんの内容を全て網羅…できていないという実態の話など、教える側も意識がそれほどないのかも…。 私の知っている現在50代の家庭科先生方が私が4単位を残したい…って普通科で頑張ったとき、無視されたもん…また、「私の子どもには家庭科よりも受験に必要な教科を学ばせたい」とセンターで指導する立場をした先生からも言われた。 正直、家庭科の内容を全分野で完全に身につけることって凄いと思います。科学的に…また、歴史的に…実践的に…全てにおいてパーフェクトにわかっていて、「生きる力」がない人なんて絶対いないし、フリーターニートにならないと思いますね。だって、ビジネスチャンスを見出すって「日常の生活」からと思うから。 人々が自分の意思で選択したと思ってきた、あるいはそれが当たり前と思ってきた性別役割分業、あるいは女性は働くとしてもパート労働くらいが適当という意識は、実は、科学技術の振興や経済の高度成長のための産業政策によって、刷り込まれていたもの… 今もそうだなぁ…って国の向けたい方向に国民を向けさせるために教育が使われている…と思う最たる教科。だから、国の意向を無視したい…って学校では家庭科を軽んじているんだと思います。軽んじて…高齢者対応を学べ!って教科書にいっぱい書いても伝わらない…とか、金融商品を考えて活用できる人にしたい~と国の意向も教科書のページを割いても、教える人の考えが指導要領より強く…昔に比べて世の中が、この本に書いてあるように動かない一番の理由だろうと思いますね。 強力につきうごかされた性別役割分業論の流布に比べれば、それをどうにか否定して変えたい…って動きは微々たる弱さ。 ただ、学べずに行くと一番不利益を被るのは、学べなかった人たちと言える?実は、学べなかった人たちを作った社会を作り出した先駆者たちだろうなぁ…って思います。高齢者に対してどう対応していくか?現在どのような対応があるか?も家庭科の教科指導の一部。だけど、それどころでなく、2単位では教えた方がいい…って思えることは山とあり。 そんな実態を思うと、ホント…ジェンダーバイヤスの下にある学校が問題だなってシミジミ思いました。
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