あの夏、風の街に消えた の商品レビュー

香納諒一(著者)

2009/10/29

京都で学生生活を送る19歳の青年
ある日突然見知らぬ青年が訪れ「お前の親父に頼まれて迎えにきた」
連れていかれた先は新宿の蔦のからまるホテル・・

19歳の夏、出会いと別れ

この人の作品は、はんなりした関西弁がよく似合うのですが
今回は新宿が舞台。
青年のひとなつの経験と成長っていうと、いかにも陳腐だけど
でもなかなか面白かった
謎のホームレスのスーさん素敵すぎ（笑）

2009/10/07

3月24日読了。父と子の相克を描いた青春小説かと思いきや、ヤクザや中国マフィアがどんどん登場するハードボイルドに。面白かったけれどね。青春時代を学生運動に捧げた主人公の親たちの喪失感や、居場所を失う人々の喪失感と、好きな人々と離れざるを得ない主人公自身の喪失感とが丁寧に描かれ、とても切ない気持ちに浸ることができました。この人の本は面白いなあ。

2009/10/04

あの夏、人生というものがそれほど安全でないとわかり始める一方、だからといって躊躇ったり怯えたりしつづける必要もないのだと思えるようになってきた。大切なものはいつだって、手を伸ばせば届くところにある。
父の失踪、天安門事件、バブル、地上げ、出生の秘密、恋。主人公巌の新宿でのひと夏。