サンクチュアリ の商品レビュー

雪代鞠絵(著者)

レーベルがレーベルだ…

[文庫ＯＦＦ]

レーベルがレーベルだけにHシーンはすごいことやってますが、なぜかどきどきしなかった。ありえない設定だったからだと思います。死んだ恋人に似てるからという理由で金持ちの美術商に拉致監禁され、元居た孤児院にも手をまわし他の居場所をなくしてしまわれる主人公。男を好きになってしまい、死んだ恋人として扱われるのが耐えられなくなってくる。主人公の心情が書かれているのに、切なさが伝わってこなかった不思議な作品。

2009/12/28

教会の養い子の佐智は、美術商の叶に攫われ、死んだ恋人の晶の代わりを強いられる。贅沢すぎる生活を与えられ、爛れた快感を躰に刻まれ、淫奔であれと命じられた。脅え混乱する彼に叶は囁く、愛していると。孤独に震えていた佐智は激しく心揺らすが、囁きは自分のではなく、晶のもの。堪らずに屋敷を飛び出した彼に叶の与えた罰、それは背教と引換の終わりのない快楽だった―。焦れ奪われ尽くされる激愛、書き下ろし。

2010/03/22

五、六年越しで手帖にメモしていたこの本に出会って古本屋で購入したんですが、なんであの頃の私はこの本を読みたいと思ったんだか･･･。

2009/10/04

―――『晶』になってしまえばいいのだろうか。
そうすれば、この悲しさや、空しさは消えてくれるのだろうか。

拉致監禁し、残虐な仕打ちをされたにもかかわらず、佐智を抱きしめて愛を囁いてくれたのは叶だけだったんです。そんな叶を佐智は、愛し始めていたんです。
だから、晶になったら叶は自分を愛してくれるのではないかと思い始めるわけです。
家族のいない佐智は、それくらい愛に飢えていたんですね。
佐智は晶に聞きます。「怒った時、頬っぺたをふくらませますか？」と。
風鈴の金魚は、誰のことを見て買ったのかを確認したんです。
怒って頬をふくらませるのは、佐智だったんですね。
叶は佐智に似ていると、金魚の風鈴を買ったんです。
なんだかんだ言っても、叶も佐智のことを佐智として見ていたってわけです。
「叶さんが、好き」
泣きながら必死で訴える佐智。
「佐智、愛してる」
そう言ってもらえて、最後はハッピーエンド。ああ、ほんとうによかった。