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憲法改正 大闘論 の商品レビュー

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2015/07/26

今回の安倍政権の憲法解釈変更による集団的自衛権容認の理由として安全保障環境の変化が言われるが、自民党は戦後一貫して自主憲法制定を党の綱領としてきた。この著書はその中心的存在であった 中曽根康弘元首相と保守派の論客二人による対談形式で憲法改正を論じたものである。 GHQ主導の憲法...

今回の安倍政権の憲法解釈変更による集団的自衛権容認の理由として安全保障環境の変化が言われるが、自民党は戦後一貫して自主憲法制定を党の綱領としてきた。この著書はその中心的存在であった 中曽根康弘元首相と保守派の論客二人による対談形式で憲法改正を論じたものである。 GHQ主導の憲法を受け入れ、安全保障は米国に委ねてひたすら経済発展を優先した吉田茂に対し、岸信介等の保守派は我が国が真の独立国家となるためには自主憲法と防衛力を保持しなければならないとし、憲法改正を主張してきた。すなわち、憲法改正の悲願は安全保障環境の変化ではなく、国家のアイデンティティー確立にあったことが分かる。 トピックとして湾岸戦争時の議論をベースにしており、中国への言及がほとんどないのは時代を感じさせるものの、その本質は今日の議論にそのまま引き継がれている。賛否はともかくとして、いわゆる保守派と言われている人たちが、国家や国民をどのように捉え、その中で憲法や防衛力のあるべき姿をどのように考えているのか理解を深めるのに役立った。

Posted byブクログ