舘山寺心中殺人事件 の商品レビュー
木谷恭介の第123作目。 タイトルが「館山寺温泉殺人心中」となつてゐるが、「館山寺心中殺人事件」が正しい。 前作が2003年7月の『京都吉田山殺人事件』なので、なんと8ヵ月振りの新作だ。 この間、ファンである私は木谷さんの健康状態を心配してゐた。 なんせ昭和2年生まれなのである...
木谷恭介の第123作目。 タイトルが「館山寺温泉殺人心中」となつてゐるが、「館山寺心中殺人事件」が正しい。 前作が2003年7月の『京都吉田山殺人事件』なので、なんと8ヵ月振りの新作だ。 この間、ファンである私は木谷さんの健康状態を心配してゐた。 なんせ昭和2年生まれなのである。 館山寺温泉といふ温泉が濱名湖畔にあるといふことは知つてゐた。 今囘の舞臺はその館山寺温泉。 遠州灘では天然トラフグが獲れるのださうで、館山寺温泉ではグルメツアーを賣りに出してゐるらしい。 一度、その季節に行つてみたい。 「バーニズ・マウンテンドッグ」といふ種類の犬がいることは、初めて知つた。 アルプス原産の作業犬なのださうだが、セントバーナードとはまた違ふらしい。 なにはともあれ、このバーニズ・マウンテンドッグを飼つてゐたペットショップのオーナーが、 わき腹を喰ひちぎられたやうな死體で發見されるのが、物語の發端である。 バーニズ・マウンテンドッグは絶對に人に噛みつかない。 では何故? いつたい何が起こつたのか? この作品、木谷工房の山本咲耶香さんといふ方の原稿を元に、木谷恭介が書き直した作品だといふ。 かういつたことをすべてオープンにする木谷さんのフェアな姿勢が好ましい。 多作な人氣作家は、かなりかういふシステムを取入れてゐるらしいのだが、 木谷さん以外にかういつた仕組みを公表してゐる作家を他に知らない。 次囘作は、いよいよ『天草御所浦島殺人事件』かな? 健康状態は大丈夫だと云つてゐるので、早く仕上げて頂きたいものである。 2004年4月3日讀了
Posted by
- 1