脳はここまで解明された の商品レビュー
「脳」はおもしろい。これ以上大きなテーマはないと思う。これから研究者になろうとする人は、必ず何らかの形で脳に関わっていくことになるだろう。現在、脳研究のテーマとして4つの領域がかかげられている。「脳を知る」「脳を守る」「脳を創る」「脳を育む」。それぞれ、生理学、医学、コンピュータ...
「脳」はおもしろい。これ以上大きなテーマはないと思う。これから研究者になろうとする人は、必ず何らかの形で脳に関わっていくことになるだろう。現在、脳研究のテーマとして4つの領域がかかげられている。「脳を知る」「脳を守る」「脳を創る」「脳を育む」。それぞれ、生理学、医学、コンピュータサイエンス、教育・心理などという分野と大きく関わる。私自身はこの「脳を育む」という現場にいて、どうしてこれだけの個人差が現れるのか、どの段階でこういう違いが生まれるのかといった思いが常に頭の中にある。まだ私のそんな疑問に明確に答えられるような理論は出来上がっていないようだが、それでも計測技術の急速な発展で、脳の中のどの部分で何をしているのか、あるいは何歳くらいからそれができるのかということは分かり始めているようだ。(だからどうすればよい、というのとはまた別問題だ。)本書の後半では、工学者である編著者と、脳生理学者の伊藤正男先生、地球科学の松井孝典先生が話し合われている。私が驚いたのは、合原・伊藤の両先生はいずれも脳科学の最先端にいらっしゃるはずなのに、それぞれが、相手が出した話題に「そういうことが見つかっているのですか・・・」などと感心していらっしゃるところだ。やはりこれだけ最先端は分化してしまっているし、それぞれの内容についていくのは大変なことなんだと感じた。でもだからこそこういう対話は常に必要なんですね。話し合いの中から新しいアイデアは生まれてくるのでしょう。
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本書は「地球学の世紀」というフォーラムにおける「地球システムと脳」とうテーマの議論が基になっている。著者は脳生理学者の伊藤正男(理化学研究所)、甘利俊一(理化学研究所)、合原一幸等の脳科学の権威たち。解説と対談といった形で読みやすい本です。伊藤正男さんは脳科学の世界的権威だそうで...
本書は「地球学の世紀」というフォーラムにおける「地球システムと脳」とうテーマの議論が基になっている。著者は脳生理学者の伊藤正男(理化学研究所)、甘利俊一(理化学研究所)、合原一幸等の脳科学の権威たち。解説と対談といった形で読みやすい本です。伊藤正男さんは脳科学の世界的権威だそうです。 本書で印象的なのは伊藤正男さんによる脳の構造解説。脳は5階建ての建物(反射、複合運動、生得的行動、感覚運動機能、連合野)に、電気や水道などの4つのライフライン(小脳、大脳基底核、大脳辺縁系、睡眠・覚醒)が通うイメージだそうです。わかりやすい例えですね。 本書は2004年の著作ですが、伊藤さんは脳に関して、簡単なところはわかるが、情動とか意思になると手が届かない、と述べています。最後に主観になるとどうしようもなくなるそうです。脳の研究はやはりまだまだなんですね。意識というのは定義するのも難しいそうですが、”どこかで自分自身のシステムをモニターする部分があって、そこが意識の座であるというのが素直なのだろう。”とのことです。
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めちゃくちゃ興味がかき立てられ、ワクワクした一冊!! やはり「脳」はワクワクするシステムを持っている!!! カオス、スモールワールド、エルデシュナンバー、、、書いてある専門的な要素もわかりやすく書かれていた。(特にスモールワールドの振る舞いには興味がある。) 「脳を創る」とい...
めちゃくちゃ興味がかき立てられ、ワクワクした一冊!! やはり「脳」はワクワクするシステムを持っている!!! カオス、スモールワールド、エルデシュナンバー、、、書いてある専門的な要素もわかりやすく書かれていた。(特にスモールワールドの振る舞いには興味がある。) 「脳を創る」という合原先生の試みにすごい可能性を感じた。 また、合原先生だけではなく、松井先生、伊藤先生との対談も収録されており専門分野を超えた論議がされていて楽しかった。 特にネットが発達した現在は人間圏ビックバンが現在おこっていると言う話が面白かった。 たしかに、今進行しているSNSの流れは、僕たち人間のあり方を大きく変容させていっているのかもしれない。
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脳は実に信念な内的宇宙である。 脳は人間の持つ素晴らしい器官である。意識は人の脳が生み出した最高の働きだ。 母国語として言語を習う能力は12歳まで、13歳を過ぎると外国語としては習えるけれども、母国語には絶対にならならない。
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