虹の生涯(下) の商品レビュー
森村誠一さんと言えば、僕の年代であればやはり松田優作さんの「人間の証明」と高倉健さんと薬師丸ひろ子さんの「野生の証明」が真っ先に頭に浮かぶというよりも僕が産まれた次の年から作家生活を送っている先生の作品数はまるで砂漠の砂のようで手を出さずにいたのですが、「人間の剣」シリーズや「悪...
森村誠一さんと言えば、僕の年代であればやはり松田優作さんの「人間の証明」と高倉健さんと薬師丸ひろ子さんの「野生の証明」が真っ先に頭に浮かぶというよりも僕が産まれた次の年から作家生活を送っている先生の作品数はまるで砂漠の砂のようで手を出さずにいたのですが、「人間の剣」シリーズや「悪道」シリーズで歴史ものを読んで、思わず歴史ものを少しずつではありますが、探し始めました。 「虹の生涯」 全ての登場人物を食いつくしてしまう主役の和多田主膳!8代吉宗から始まる公儀御庭番家筋17家の末裔!井伊直弼の首を奪い返し、その功から和宮の京都からの影の護衛を任され、古坂平四郎、倉地内記、梶野甚左衛門のお庭番の隠居組が幕末の世を影のように暗躍していく。 そして会津預かりとなった4人の好々爺は新選組の課せられた難しい仕事を次から次へと果たしていく。京都から江戸にもどり、新選組と共に会津に赴き、土方とともに函館後に渡っていく。公儀御庭番の最後の花を咲かせようとした4人がいつのころから誰よりも士道に忠実な新選組を隊員のらしくなり、最後は土方の友として蝦夷の地で痛快と言える活躍を見せる。 これは久し振りに物語の奥の奥まで入りこめたような気がする。
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