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ベロ出しチョンマ の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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「ベロ出しチョンマ」…

「ベロ出しチョンマ」という滑稽な玩具のモデルとなった少年の話。飢饉の年に、村の衆を救うため、直訴に出た父親とその一家は見せしめの為に磔にされる。「自己犠牲とは何か」を考えさせられる短編童話集。

文庫OFF

小学生の時に国語の授…

小学生の時に国語の授業かなにかで初めて出会った作品で、当時はかなり衝撃を受けました。自分の命が絶たれようとしている状況下で見せる妹への優しさに、思い出しただけで涙がこみあげてきそうになる物語です。

文庫OFF

2012/11/21

自分にとって、まさに読書の原点となった一冊。 世の中には、こんなに悲しくてこんなに美しいお話があるのか、と子供ながらにいたく感動したのをすごくよく覚えてる。 それだけじゃなく、手元に残ったこの本には、幼くて拙いヘッタクソな書き込みがビッシリ…。 子供でもイイものはイイってわかるん...

自分にとって、まさに読書の原点となった一冊。 世の中には、こんなに悲しくてこんなに美しいお話があるのか、と子供ながらにいたく感動したのをすごくよく覚えてる。 それだけじゃなく、手元に残ったこの本には、幼くて拙いヘッタクソな書き込みがビッシリ…。 子供でもイイものはイイってわかるんです。

Posted byブクログ

2017/11/09

先日読んだ『蜩ノ記』の中で特に印象深かったのは少年たちだった。 主人公の息子の友人、農民の源吉は、武士からお咎めを受け連れて行かれるとき、泣きだした妹に向かって、面白い顔をしてなだめていた。 このあたりのストーリーは、斎藤隆介さんの『ベロ出しチョンマ』そっくりだと思い、さっくこ...

先日読んだ『蜩ノ記』の中で特に印象深かったのは少年たちだった。 主人公の息子の友人、農民の源吉は、武士からお咎めを受け連れて行かれるとき、泣きだした妹に向かって、面白い顔をしてなだめていた。 このあたりのストーリーは、斎藤隆介さんの『ベロ出しチョンマ』そっくりだと思い、さっくこの本を読み返した。 江戸時代、天候不順で農作物の出来が悪いのに、重い年貢で農民たちは困っていた。千葉のある村でも村人たちが困りはて、名主が将軍へ年貢の引き下げを直訴に行くことになる。名主一家は直訴の罰としてつかまり磔の刑に。泣き叫ぶ妹に向かって、名主の息子長松は「俺の顔を見ろ」と言って、ベロをだし眉毛をハチの字にさげた面白い顔をして、妹を笑わせて死んでいった。 江戸時代の農民の子とはこんなにも兄妹思いなのか。 下の子の面倒をみながら労働に明け暮れてる過酷な毎日の中で、 小さくてか弱い者を年上の者がかばうのが当たり前、 そんな習わしが自然と身についていたのかもしれない。 昔のように、祖父や祖母が同居し、 大家族であればあるほど、兄妹の仲も良かったのかもしれない。 死の恐怖は誰もがあるものなのに、 妹を怖がらせないように、おどけた顔をする心優しい兄。 いいなあ。 自分の境遇を顧みれば、私には弟がいる。(もういい年のおじさんだが) やはり、それはそれでかわいい(?)ものだが、 お兄さんっていいものだなと羨ましく思った。

Posted byブクログ