にごりえ の商品レビュー
原文が、自分の読み取った内容と同じか不安だったので、現代語訳を読んでみました。 樋口一葉さん、いい作品といい文章でした。現代訳でストレス無く読めて良かったです。 昔の庶民の切ない、やり切れない話が多いですが、妙に現代と合致している気もしました。
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貧しく気高い父親のもとで育ったお力はうまく客を回し、金を引き出す水商売の女である。 自分は無いものばかり強請る不安定なおかしい人間で、一生これか、これが一生かとやさぐれながらも、時に人に見せられない人間らしい心に未練を残し、普通の幸せのようなものに憧れを残し、それでもそこから這い...
貧しく気高い父親のもとで育ったお力はうまく客を回し、金を引き出す水商売の女である。 自分は無いものばかり強請る不安定なおかしい人間で、一生これか、これが一生かとやさぐれながらも、時に人に見せられない人間らしい心に未練を残し、普通の幸せのようなものに憧れを残し、それでもそこから這い出すまでの自尊心など若いお力にはなくて、 どこかへ行きたい、でも行く道が分からない、その焦りに心が苦しくなる。 お力に恋をした客に殺されてしまうラストがあっけなく、その死に方はお力らしくもあり、遊女だと、言われた気がした。 24才で亡くなった樋口一葉が幾つの時に書いた作品か分からないけど、 何もかもを分かったような、分別のついた文章の走りに、ただ呆然とするようだった。
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話の筋はともかくとして、あの読み辛い文章を それなりに噛み砕き現代の我々にも伝わるように 改訂を試みた本としては、色んな訳者の個性もあって 成功していたと思う。 物語自体は、どれもあまり好きな話ではなかった。
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昔の妻は夫につくして彼の意向に沿うように言葉使いなど気を使ってたんだなと。ちょっと媚び過ぎの感もあるけどかわいい女っぽさって忘れてた気がする。家族や近所づきあいのしがらみ、かなり面倒で今の人たちは省いているけど昔はそんなこと絶対できなかったんだろうな。言葉使いやものの名前等新鮮だ...
昔の妻は夫につくして彼の意向に沿うように言葉使いなど気を使ってたんだなと。ちょっと媚び過ぎの感もあるけどかわいい女っぽさって忘れてた気がする。家族や近所づきあいのしがらみ、かなり面倒で今の人たちは省いているけど昔はそんなこと絶対できなかったんだろうな。言葉使いやものの名前等新鮮だった。
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原文は素読しても到底読めず、辞書片手にがんばってみても飽きてしまい、 どうしても読めなかった。 現代語訳で集中して作品を読めたのは幸せ。
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やっぱり別に現代語訳する必要はないのではと思った。伊藤比呂美さんは好きだけれど、「にごりえ」は文語体で読んだときの方がラストの緊迫感というか衝撃が強かった。だからといって、おもしろくなかったわけではないけれど、やっぱり文語で読みたいなと。いちばんおもしろかったのは、多和田葉子さん...
やっぱり別に現代語訳する必要はないのではと思った。伊藤比呂美さんは好きだけれど、「にごりえ」は文語体で読んだときの方がラストの緊迫感というか衝撃が強かった。だからといって、おもしろくなかったわけではないけれど、やっぱり文語で読みたいなと。いちばんおもしろかったのは、多和田葉子さんのあとがきである。
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