ビジネス・エコノミクス の商品レビュー
これが会社員向けの啓蒙書として書かれているのだとすれば筆者は読者をずいぶん低いレベルに想定しているようです。たとえば一行、引用してみます。/「高い賃金を支払うことは従業員のやる気を引き出すことにつながる(効率賃金仮説)。」/経済学的な洞察の有効性が微塵も感じられないこういう一文に...
これが会社員向けの啓蒙書として書かれているのだとすれば筆者は読者をずいぶん低いレベルに想定しているようです。たとえば一行、引用してみます。/「高い賃金を支払うことは従業員のやる気を引き出すことにつながる(効率賃金仮説)。」/経済学的な洞察の有効性が微塵も感じられないこういう一文に満足する読者というのはどういう存在なのか……。個別具体的な事実が書かれている部分は参考になったりもするのですが、本書を読んでも「経済学」というのは、結局、わかりきったことに術語を当てはめてゆくだけの似非学問に過ぎないのではないかという誤解を招くおそれがありそうです。『ランチタイムの経済学』とは雲泥の差でした。あるいは、どうでもいい部分を削って5分の1ぐらいに縮めれば良書になったかもしれませんが。
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