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生まれる森 の商品レビュー

3.3

122件のお客様レビュー

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    8

  2. 4つ

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  3. 3つ

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繊細な物語

透明で繊細な物語、だと思う。深い深い虚脱感に支配される主人公の前に現れた、かつての同級生キクちゃんとその家族。彼らと触れ、ゆっくりと再生への道を歩きだす少女。その姿は危うくて脆くて、……美しい。

ちだ

2022/11/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

P115 「幸せにしたいと思う事は、おそらく相手にとっても救いになる。けど、幸せにできるはずだと確信するのは、僕は傲慢だと思う。」 あとがきに 誰かを救いたいと思うこと。その相手の手を放すか、それとも掴むのかの一瞬の違いが恋愛の残酷さである。 中略 実際にそうするかは本人次第だとしても、だれもがかならず最後には森から出て行くことができるはずだと私は思っている。 なんかあとがきが一番好きだな。 野田ちゃんのサイトウサンって恋愛だったのかな。雪生も恋愛なのか? 島田さんも最後にこれは恋愛小説なのか、という疑問を口にしていたけれど、読んで思う事は恋愛の苦しさではないのかな、と思ってしまった。 でも、森には入り込んで彷徨った人には、野田ちゃんもきくちゃんも雪生くんも優しい人だな、と思う。きくちゃんが一番健全で好きだな。健全な人がいると、ホッとする。でも最後の島田さんのあとがきも健全。自分から森から出て行くことができると私も信じたい。

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2022/05/29

私はもしかしたらサイトウさんに近いのかもしれない。 奥のほうに抱えた強い不安が1番身近な人間の心を容赦なく揺さぶる。 私のそばにいる人は私の抱える負の部分の重たさに、苦しんでいるかもしれない。 それを受け止めてそばにいてくれた彼は、なんて大きな人だったのだろうと思います。 ...

私はもしかしたらサイトウさんに近いのかもしれない。 奥のほうに抱えた強い不安が1番身近な人間の心を容赦なく揺さぶる。 私のそばにいる人は私の抱える負の部分の重たさに、苦しんでいるかもしれない。 それを受け止めてそばにいてくれた彼は、なんて大きな人だったのだろうと思います。 キクちゃんや雪生さんのように、救い出してくれる人がいるって幸せなことですよね。 苦しくてどうしようもない時は、現実から離れて自然に触れたり、外国に行ったりそんな逃避が必要だってことに共感しました。 悩みから心を離す時間を作らないと潰れてしまいます。

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2021/02/24

ドロドロしたものが読みたくて、島本理生さんの本を選んでみたけど、意外と明るい展望で終わりました。 雪生、頑張れ!

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2018/05/21

H20/12/9読了 話自体は前2作品と似たような感じで思うようにならない恋を綴ったもの。 割と単調なのにサクサク読めてしまうのは、読みやすい文章と名言のためだと思う。 特にp129のことばは重なる部分が多い。 p152「変えられない事実」のくだりも励まされる?島本さんの言う通...

H20/12/9読了 話自体は前2作品と似たような感じで思うようにならない恋を綴ったもの。 割と単調なのにサクサク読めてしまうのは、読みやすい文章と名言のためだと思う。 特にp129のことばは重なる部分が多い。 p152「変えられない事実」のくだりも励まされる?島本さんの言う通り「そこから出たいと願う人」のための作品。

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2015/05/10

島本理生さんの作品に出てくる人は、闇を抱えた不安定な人が多い。 たまに読みたくなる作家さんです。 この作品のストーリー自体はそんなに…。

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2014/12/06

さっぱりと淡泊にかかれてたから読みやすかった。読んでて少し苦しかった。ゆっくりと深い森に入っていくような感じがした。

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2014/11/23

大学生の主人公「野田さん」(彼女の下の名前は出てきただろうか)が予備校講師サイトウさんへの未練を思い出すストーリー。 お互いのために別れて、好きだという気持ちが過去のものになっていても、後悔や痛みだけが恋の証明のように残る。

Posted byブクログ

2014/11/12

この作品を読んでいる間、すごく息苦しくて、小説の一説にあった"深い森に沈んでいく"感覚に、終始支配されていた気がする。 高校生の時に読んだ時は分からなかったことが、今回改めて読み返してみて少しだけ分かった気がした。

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2014/11/01

サイトウさんみたいな人には恋したくない。後半ひたすらそう思った。 そして、愛されている、ということを実感していたいとも思った。 それでも、学生時代憧れたかもしれない、と。そして、周りにも実際いたよなあ、とか。

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