極西文学論 の商品レビュー
「垂直」は明確に規定されているが、それに対して水平性は極めて曖昧。 方位に注目した文学の議論が個人的には興味深く、その意味では楽しめた。しかし、全体としては非常に散漫で、個々の議論にも首を傾げるところが多い。 引用の仕方もうまいとは言えない。(正直いってわかりにくいし、それに加え...
「垂直」は明確に規定されているが、それに対して水平性は極めて曖昧。 方位に注目した文学の議論が個人的には興味深く、その意味では楽しめた。しかし、全体としては非常に散漫で、個々の議論にも首を傾げるところが多い。 引用の仕方もうまいとは言えない。(正直いってわかりにくいし、それに加える説明もしっくりくるとは言いがたい) その人のことが別に嫌いでもないし、容姿(装丁ね)も好きで、第一印象は悪くないのに、いざ話したり、人となりを知ろうとコミュニケーションをとる段になると、違うテンポの楽譜を同時に演奏するように、ズレて、ヨレて、離れていってしまう。なんというか、とことんうまくいかない。 その原因は基本的な思想の方向性の違い(バンドが解散する理由みたいだ)だけではなくて、それ以上に、引用の下手さや、抽象化・概念化の下手さがあると思う。 思想が合わなくたって本は面白く読めるし、学ぶところが多いものだ。残念ながらこの本は違った。 「極西」という位置づけは面白いし、そのラインで読むべき作品もあるだろうと思う。舞城王太郎や村上春樹だってそう。 面白くなかったわけでもない。でも、退屈はした。長く感じたし、上に書いた部分とは違って、細かい議論や小さな着眼点は明日にはきっと忘れているだろう。そういう本だった。 なにより、この本を読んだおかげで、これも読まないと!と思った本が一冊も生まれなかった。残念。
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むつかしく、理解が十分でないので、未評価にする。 村上春樹や舞城王太郎などの作品をつなぐものは何かと論じられている。 「すぐれた作品は、その時代を反映している」というよく言われる言葉があるが、この本は上記の作家の作品たちを、そんなふうに論じているのだろう。
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11/22 サイードに拠る動機から、最近の文学の動向について。 視線の話とか、結構参考になった。
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