すべての映画はアニメになる の商品レビュー
一度図書館で借りて、内容がみっちりしていたので購入。 今の押井守は時事放談映画放談が多いが、さすがに「アニメージュ」記事のまとめだけあって、きっちりした本。 そして、おそらく別の本にまとめたからという理由で「GHOST IN THE SHELL」は省き、それ以外という構成。 出版...
一度図書館で借りて、内容がみっちりしていたので購入。 今の押井守は時事放談映画放談が多いが、さすがに「アニメージュ」記事のまとめだけあって、きっちりした本。 そして、おそらく別の本にまとめたからという理由で「GHOST IN THE SHELL」は省き、それ以外という構成。 出版は2004年。「イノセンス」公開を理由に世に出された本だと思う。 今回は「パトレイバー」を目的に読んだが、他の作品を見るときのサブテキストにも折々していきたい。 「天使のたまご」の記事が嬉しい。 宮崎駿との対談が熱い。 @ ・前略 宮崎駿様〈漫画映画について〉 ■「うる星やつら」 ・“動機づけ”と“思い入れ” 宮崎駿 対談 ・自分の生き方がにじみ出てくる、そんな映画を作りたい 大森一樹 対談 ・この時代に、誰のために何を作るのか 宮崎駿 対談 ■「天使のたまご」 ・演出家にとって作家性とは何か? 安彦良和 対談 ・日本映画の終電車に飛び乗った、僕らの敵はスピルバーグだ! 今関あきよし 対談 ・ここまで作れたのなら、もう一歩突き抜けて欲しかった 河森正治 対談 ・『あなたは、だぁーれ?』の問いに、監督はいつか答えなければいけない 光瀬龍 対談 ・押井さんの卒業制作映画は、どこか『天使のたまご』と似ているところがあった 金子修介 対談 ・なんだか『うる星やつら2』は、ATGふうアニメーションって気がしました 今関あきよし 対談 ・タルコフスキー監督をずいぶん意識しているなぁ… 長部日出雄 対談 ・少年が乗った戦車が坂を昇る音は、昔、耳にした機動隊の行進の音 池田敏春 対談 ■初期実写映画 ・飼い主を探して旅をする犬の物語『ケルベロス地獄の番犬』 押井守 談 ・押井監督がこだわった スーパーヘリ ガゼル 記事 ・二重の意味での望郷の念『ケルベロス地獄の番犬』 押井守 談 ・僕自身『裏演出家』だったことがあるんです。『Talking Head』 押井守 談 ■「機動警察パトレイバー」 ・僕らはもう、戦争してる『機動警察パトレイバー2the Movie』 押井守 談 ・モニターを通しても、現場に立ち会っても、戦争は戦争だ 記事 ・現実がアニメに追いつく時 富野由悠季 対談 ・シャアは富野作品の究極の悪役 コメント ・時代にケリをつけるために 宮崎駿 対談 ・押井監督とファンがアクセスした日 佐山善則・杉田篤・座談 ・アニメージュ創刊200号に寄せて コメント ■「人狼」「アヴァロン」 ・「実写」と「動画」の真実 本広克行 対談 ・動画力の復権 沖浦啓之 対談 ・すべての映画はアニメになる『アヴァロンAvalon』 押井守 談 ■「イノセンス」 ・〈無垢〉をめぐる対話 山田正紀 対談 ・魂の還る場所を求めて『イノセンスINNOCENCE』 押井守 談 ・アニメは終わりの季節を迎えたのか あとがきに代えて 対話 ・押井守クロニクル ・プロフィール
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2004年刊行。「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」「パトレイバー」シリーズ、「攻殻機動隊」等の監督押井守と、アニメや実写映画監督らとの対談集(月刊「アニメージュ」連載分)。「天使のたまご」が相当宣伝されていたのに今更ながら気づかされる。また、宮崎駿と押井とのアニメーション表現法の差異、ドラマツルギーに関する冨野由悠季と押井との差異は実に興味深い。個人的に押井作品に魅かれない理由が、本書によって実に明快になった感。ただ読破後の再視聴時は、ひょっとすると印象が変わるかも知れない。特に「パトレイバー」。
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「体験のというのはおおむね、理解や認識を深める契機であると 同時に、同じ分量だけ誤解というか、一種の偏見を生むんです。 体験するということは絶対のものではないので、体験して何か がわかる同じ分量だけ、何かがわからなくなるんです。」
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