幻の三中井百貨店 の商品レビュー
朝鮮から大陸にかけ18店舗を持つ一大百貨店王国 三中井百貨店の神話から辿る経済書です。 三越にも勝ったこの百貨店がなぜ時代の一ページから消滅してしまったのか。 ぜひ読んでみてください。 マーケティングの観点からも物語の観点からもとてもよく出来上がった一冊だとおもいます
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1905年朝鮮・大邱で雑貨・小間物屋として近江商人の中江兄弟により創業された三中井の盛衰記。呉服店として6年後京城進出をした三中井は、国策に協力しながら御用商人化・百貨店化し、朝鮮・満州・中国に18店舗を開業して当時朝鮮に進出していた日本の百貨店(三越、丁子屋、平田、朝鮮人経営の...
1905年朝鮮・大邱で雑貨・小間物屋として近江商人の中江兄弟により創業された三中井の盛衰記。呉服店として6年後京城進出をした三中井は、国策に協力しながら御用商人化・百貨店化し、朝鮮・満州・中国に18店舗を開業して当時朝鮮に進出していた日本の百貨店(三越、丁子屋、平田、朝鮮人経営の和信が5大百貨店)の中では最大規模を誇っていた。しかし戦後再建されずに消えてしまったという興亡を、植民地期の日本から朝鮮への経営・マーケティングの移転、朝鮮における大衆消費社会の誕生、当時の百貨店のイメージが戦後韓国の近代百貨店創業時に本格的百貨店の原型とされたという点などに着目しながら検証している。日本人の撤収後、三中井の朝鮮人社員は商品の仕入れなどが出来ず、米軍政庁による接収までには店じまいしてしまったが、朝鮮人社員にノウハウをある程度教えて育ててきた三越はショッピングアーケードとして存続し、接収を経て、東和デパート、その後三星財閥が購入して新世界百貨店が開業したおりは三越がSAL移転を行ったという。三中井京城店の跡地はショッピング・センターの明洞ミリオレだそう。
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