ネシャン・サーガ コンパクト版(5) の商品レビュー

ラルフ・イーザウ(著者),酒寄進一(訳者)

2010/08/27

伝説の杖ハシェベトを英知の庭にいる裁き司ゴエルに届けるという使命を帯びたヨナタンが、数々の冒険と困難を乗り越えていく話の第2部の2巻。
ラック=ゼミラート、ガラルと別れた一行は、ようやくセダン帝国の首都セダノールに到着する。そこで、養親のナヴランに言われたようにバルタンを訪ねる。
バルタンに夢見人について聞かされ、自分も夢見人であると教えられるヨナタン。ヨミはカルデク船長と再会を果たす。バルタンと共に、セダノールから英知の庭のあるガノールへの旅について相談していたヨナタン達だったが、ツィルギス帝の招きを受け、皇子フェリンと友達になるものの、宮殿に訪ねたまま、ヨナタンだけは皇帝の策略によって、宮殿に幽閉されてしまう。フェリンも一行に加え、バルタンとヨミやギンバールがそれぞれ力を合わせて、空飛ぶ船でようやく宮殿を脱出するヨナタン達だが、嵐にあって、森に墜落してしまう。
一方ジョナサンのほうは、ヨナタンが皇帝に難題を突き付けられた時に、知恵を貸す。そのたびに衰弱していくジョナサンは、医者に“どこが悪いわけでもないが、生命力が流れ出している”と診断される。
新しく仲間に加わったフェリンが、人柄が良くしっかりしていて、良かったです。フェリンがバール＝シェベトを手に入れるくだりも印象に残りました。
毒舌気味のヨミではあるけれど、ギンバールと仲良くなり、それぞれの出来ることを精一杯していくことで、彼らなりの良いコンビネーションが出来てきていて、それを生かして困難を乗り越えていくのが良いです。第1部よりも、冒険としてもファンタジーとしても面白くなってきた感じがします。