ドラゴンランス 夏の炎の竜(下) の商品レビュー
彼が呪文を唱え始めたあたりから、ずっと涙が止まらなくなった。 それは、おそらく、誰もがそこから生きて帰るとは、これっぽっちも思っていなかったにも関わらず、それでも自らの将来や恐怖を一切考えず、『おたがい同士』のためだけに行動する姿が、これまでのランスの英雄たちの姿とも見事に...
彼が呪文を唱え始めたあたりから、ずっと涙が止まらなくなった。 それは、おそらく、誰もがそこから生きて帰るとは、これっぽっちも思っていなかったにも関わらず、それでも自らの将来や恐怖を一切考えず、『おたがい同士』のためだけに行動する姿が、これまでのランスの英雄たちの姿とも見事に重なり、共鳴したことに、心を打たれたからである。 今回の『夏の炎の竜』シリーズは、物語としてのクオリティを徹底的に突き詰めた結果、悲しいこともたくさんあったが、読み終えてみて、とても潔い物語だと感じることが出来たことに加えて、まるで現代社会に直結させたような終わり方にも、考えさせられるものがあった。 闇の軍勢が大陸の北部を制覇する中、見えないところで事態は逼迫しており、光と闇とそれ以外とで仲違いしている場合ではなくなってきたが、かといって、それを打開するには大きな困難を伴う、というよりは、ほぼ不可能だと思われていた。 ならば、そんなときは、どうすればいいのか? それが本書に於いては、物語のメインとして、第二世代を活躍させようとする中で(ただし例外もあり)、それを成し遂げる為に、その親世代にあたる者たちの助言が、まずは一つの大きな鍵となっており、その殆どが、まさかの彼なのだが、そこには、これまでの凄絶な人生を潜り抜けてきたからこそ肯ける、確かな重みと説得力に加え、彼の若かりし頃を思わせる温かい優しさもあり、それがスティールとパリンの自我を目覚めさせてくれた。 『おまえの父親は全員に噓をついていた──自分一人をのぞいて』 『彼はおのれを知っていたのだ』 『おまえは誰だ、スティール・ブライトブレイド』 『われわれは失敗から学ぶのだ』 『おまえは何を差し出すのだ』 それらの答えは彼自身が語ってくれた。 『何もかも失いました』 『わたしの内にあるものをのぞいては』 そして、上記の言葉が、改めて思い知らせてくれた、周りがどうではなくて、あくまでも大切なのは、自分の中にある見えないけれども、これまでずっと共にしてきた、確かな思い。それが全てであり、それさえあれば、どんなものにでも立ち向かうことが出来ることを教えてくれた、人間の心で動く思いは、時に○の思惑すら覆す、とても大きな可能性に充ち満ちていて、そこには運命なんて言葉は一切関係ない、自分自身を偽らない人生を送ることは可能なんだという素晴らしいことを、私に教えてくれた。 また、ウーシャは最初、どのような立ち位置でいるのかと思ったが、それでもよく頑張ってくれた。 それから、なんといってもタッスルホッフ。 普段はお喋りが止まらない彼も、実は要所要所で大切なことを感じ取れる、その優しさは、ランスの英雄たちとの友情が育んだものであることを改めて実感させられて、ケンダーというのは元々、恐怖を受け付けない種族ではあるが、それでも最後のあの言葉には、種族間を超えた、生きるものに対する侮辱への怒りと感じられた点に、彼の人柄(ケンダー柄?)が垣間見えた。 そして、最後に浮かぶあの星は、まるで出会った当初の彼を思い起こさせるようで、そんな思いにしばし囚われた後の終幕を経て、ああ、これで一つのランスは完結したんだなと、ようやく実感することが出来た。 以上で『夏の炎の竜』は完結し、いわゆるランスの英雄ものは、ひとまず終わりとなり、次は『魂の戦争』シリーズになりますが、少し余韻に耽りたいので、間を空けて、また読みたいと思います。
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「アブディス・トゥクング!クンプル=アー・ケプダンヤ・クアサハン!ビュロス・ロンガング・デガング・バーシー・セカリカガング!デガング・クアシュニア、ランパー・ターホング・キラト・マティ・ヤングジャハット!クストゥス・ヴリー」 ドラゴンランスシリーズ(とりあえず)完結の『夏と炎の...
「アブディス・トゥクング!クンプル=アー・ケプダンヤ・クアサハン!ビュロス・ロンガング・デガング・バーシー・セカリカガング!デガング・クアシュニア、ランパー・ターホング・キラト・マティ・ヤングジャハット!クストゥス・ヴリー」 ドラゴンランスシリーズ(とりあえず)完結の『夏と炎の竜』下巻でごさいます 表紙がもうネタバレ全開で潔い!w いやー、おもしろかったなー もうこの感想だけでいいよね ホントはこのドラゴンランスシリーズの真の主人公であり最後の英雄タッスルホッフ・バーフットについて書こうかと思ったんだけどめんどくさいからやめました(おいっ) うん、まぁね今さらね ドラゴンランスをこれから読もうとする人もいないだろうからね いいんですいいんです 全世界でベストセラーになったとはいえかなり古いファンタジーですからね ただね、せっかくこのレビューを目にしてくれたのも何かの縁ですから 呪文だけでも覚えて帰って下さい 世界を救う呪文ですから きっと役に立つはずです 来週あたり回覧板が回ってきて 8月は世界を救う当番ですよ言われるかもしれませんからね もう一回言いましょか? 「アブディス・トゥクング!クンプル=アー・ケプダンヤ・クアサハン!ビュロス・ロンガング・デガング・バーシー・セカリカガング!デガング・クアシュニア、ランパー・ターホング・キラト・マティ・ヤングジャハット!クストゥス・ヴリー」 ですよ! 発音正確にね!
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本当に果てしないと思われるぐらい大きく大きく広げられた物語が、綺麗に閉じていくところを見せてもらいました。 もちろん、ギルサナスはどうなったとか、いろいろな部分はあるのですが……。でも、それは小さなことです。外伝や、シナリオ集なんかで語られることもあるのだと思います。 最後、...
本当に果てしないと思われるぐらい大きく大きく広げられた物語が、綺麗に閉じていくところを見せてもらいました。 もちろん、ギルサナスはどうなったとか、いろいろな部分はあるのですが……。でも、それは小さなことです。外伝や、シナリオ集なんかで語られることもあるのだと思います。 最後、生きとし生けるものすべてが、善も悪も、なにもかもが、自分たちの存在を賭けて巨大な敵と戦っていく。 その盛り上がり。スケールの大きさ。そして、タッスルをはじめとするキャラクターたちの魅力。まだ、夏は途中ですが、わたしにとって、この夏1番の本だったと言い切ってしまおう!!*1 「ドラゴンランス」は、パーティのメンバーが、けっこうしぶとく生き残るお話でしたが、「夏の炎の竜」は、本当に容赦なしで、でもその分、お話に深みも増していたと思います。 わたしの中では、タニスも、レイストリンも、キャラモンも、ティカも、タッスルも、スティールも、パリンも、ウーシャも、ダラマールも、フリントも、フィズバンも、ダウガンも、本当に、生きているんです。 図書室に入れたいシリーズですね。 売ってないのが、残念です。
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やっぱりレイストリン最高です!作者も絶対好きに違いない。ただ、すごくおもしろかったけど、親世代が死んでしまったのは残念です。正直親世代のいなくなったドラゴンランスってどうなんだと。子供たちだけで展開される物語は、なんだかちょっと物足りなさそう。まぁ、それでも読んでみたいわけですが...
やっぱりレイストリン最高です!作者も絶対好きに違いない。ただ、すごくおもしろかったけど、親世代が死んでしまったのは残念です。正直親世代のいなくなったドラゴンランスってどうなんだと。子供たちだけで展開される物語は、なんだかちょっと物足りなさそう。まぁ、それでも読んでみたいわけですが。 2008/1/15
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