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英国オックスフォードで学ぶということ の商品レビュー

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2014/04/09

面白かった。オックスフォード大学の俗世との隔たりというか、頑なな伝統についてあれこれ書いてある。ハイ・テーブルからくすねたパンをしおり代わりに本に挟んでいた教授の話がお気に入り。 とにかく文章が上手い。こんな風に、ひとつの事柄をあれこれに関連付けて引用して書くことが出来るという...

面白かった。オックスフォード大学の俗世との隔たりというか、頑なな伝統についてあれこれ書いてある。ハイ・テーブルからくすねたパンをしおり代わりに本に挟んでいた教授の話がお気に入り。 とにかく文章が上手い。こんな風に、ひとつの事柄をあれこれに関連付けて引用して書くことが出来るというのは、普段からアンテナを張って様々な情報を蓄積しているからこそ。地頭の良さが垣間見える文章でした。 肝心の図書館の描写が少なかったなー。デューク・ハンフリー図書館とかラドクリフ・カメラとかについてもっと書いて欲しかった。

Posted byブクログ

2009/10/07

会場は暗い。壁から浮き上がるように図書館の書架などを描いた画面がふっと浮き上がる。目を凝らす暗闇が鮮烈な印象を残す展覧会の記憶。そのアーティストの著作である。彼女は自身のアートの源が何であるのかを知るために世界の美術館を巡りオリジナルに触れる。そしてこの疑問を解消する手立てを見つ...

会場は暗い。壁から浮き上がるように図書館の書架などを描いた画面がふっと浮き上がる。目を凝らす暗闇が鮮烈な印象を残す展覧会の記憶。そのアーティストの著作である。彼女は自身のアートの源が何であるのかを知るために世界の美術館を巡りオリジナルに触れる。そしてこの疑問を解消する手立てを見つけるために、英国オックスフォードのニューカレッジに一年間在籍し、美学・哲学・文学の講義を受講する。オックスフォードは頭がよいということだけが共通項の人々が真摯に学問をする。講義を聞くというより学者になるための考え方を鍛える場であり世の中の天才的な人間が集まる場だ。彼女のモチーフは「図書館」であり、時の積み重なった図書館は「黄金の暗闇」の深さを持つと記している。私は自分の知らない世界の深遠を覗き、現代美術のコンテクストのありようの匂いを嗅ぎ取った。学ぶということ、知的な論理をめぐらすこと、そんな話し相手がいることって素晴らしい。

Posted byブクログ