猟銃・闘牛 の商品レビュー
「猟銃」は三人の女性…
「猟銃」は三人の女性の手紙を通して語られる、静かに激しい物語でおススメです。
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蛇であったり、悪人であったり、人の心の奥にあるものを描く。自分の中のそういうものに覚えがあるから理解できる。しかし設定の無理とか不自然さを感じて、三作ともすっきりしないものが残った。
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闘牛は実際にあった出来事をモチーフに書かれているそう。きっと恋愛パート以外は実話に近いのだろう。戦後間もないごたごたの時代の、泥臭く働く人たち。興行を成功させるには綺麗事だけでは済まないのだなと改めて思う。うさんくさい人とも付き合いながら、会社の命運を賭けて博打にも近いイベントを...
闘牛は実際にあった出来事をモチーフに書かれているそう。きっと恋愛パート以外は実話に近いのだろう。戦後間もないごたごたの時代の、泥臭く働く人たち。興行を成功させるには綺麗事だけでは済まないのだなと改めて思う。うさんくさい人とも付き合いながら、会社の命運を賭けて博打にも近いイベントを打ち出していく主人公。お仕事系の話が大好きなのでワクワクしながら読めた。 猟銃は、出てくる女性たち三者三様の視点からの手紙が面白い。薔子に関しては二十歳という年齢設定の割に子供っぽい文章だなぁと感じてしまったが、当時のお嬢様はそんなものだったのかな。 どの短編も出てくる人物が生き生きとしていて、魅力的でした。
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井上靖さんの処女作。「猟銃」はそれぞれの女達の手紙から、同じ出来事でも違った視点で読み解かれ、それぞれの主観が入り混じる様がとても面白い。関西の描写がよく出てくるので、知っている者には、まるでその風景を散歩している気分になる。 処女作ということを知らずに読んだので、最初は本当に遭...
井上靖さんの処女作。「猟銃」はそれぞれの女達の手紙から、同じ出来事でも違った視点で読み解かれ、それぞれの主観が入り混じる様がとても面白い。関西の描写がよく出てくるので、知っている者には、まるでその風景を散歩している気分になる。 処女作ということを知らずに読んだので、最初は本当に遭った出来事なのかと思ってしまった。 「闘牛」はどうなるのか、ドキドキハラハラしながら読み進めたが、最高潮の場面で突然終わるのが素晴らしく感動しました。余韻がずっと今でも残っている。 井上靖さんは人を愛した作家さんだと思います。多種多様な人間、考え方、欠点が多くても、ずる賢く生きていても、卑怯でも、根底にあるのは人間讃歌だと思う。
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「エンタメ」の夜明け で闘牛が紹介されていたのがきっかけ。 井上靖はあすなろ物語を昔読んだくらいだったが、少し文章は固めに感じた。 猟銃:個人的には一部少しわざとらしくも感じた。 闘牛:この中では一番おもしろい。 比良のシャクナゲ:まぁまぁ。昔のエリート感。
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湊かなえの『告白』を読んだ時のような、書き方の新鮮さに衝撃を受ける。 3人の女の手紙から見える男の実態は、それが真実とは限らない。
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井上靖さんの作品、ブクログ登録は初めてになります。 著者、井上靖さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 井上 靖(いのうえ やすし、1907年(明治40年)5月6日 - 1991年(平成3年)1月29日)は、日本の小説家・詩人。主な代表作は...
井上靖さんの作品、ブクログ登録は初めてになります。 著者、井上靖さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 井上 靖(いのうえ やすし、1907年(明治40年)5月6日 - 1991年(平成3年)1月29日)は、日本の小説家・詩人。主な代表作は「闘牛」「氷壁」(現代小説)、「風林火山」(時代小説)、「天平の甍」「おろしや国酔夢譚」(歴史小説)、「敦煌」「孔子」(西域小説)、「あすなろ物語」「しろばんば」(自伝的小説)、「わが母の記」(私小説)など。 で、本作には、「猟銃」、「闘牛」、「比良のシャクナゲ」の3作品が収められています。 私が読んだのは、「闘牛」。 で、この作品は、芥川賞受賞作になります。 「闘牛」の内容は、次のとおり。(コピペです) 『文學界』1949年12月号初出。社運を賭けた新聞社主催事業闘牛大会の実現に奔走する新聞編集局長の情熱と、その行動の裏側に潜む人生に賭けきれない知識人の孤独な心模様や戦後の日本社会に漂っている悲哀を、敗戦直後の混乱した世相の中に描き出した作品。
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井上靖は本当に凄い。短編の鋭い切れ味に、恐れ入るしかない。 日本語の美しさ、その文字から伝わる日本の美しさ、そこに映し出されるあの時代の日本人の男女の孤独感。今も変わらぬ各人の自己中心的な悲哀が、井上靖によって際立つ。
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人の気持ちは分からないものだということさえ分からない恐ろしさ。 むなしさを抱えたまま残りの人生を過ごす老後はいやだ!
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《猟銃》 妻・愛人・愛人の娘、その三通からの手紙から 浮き彫りにされる、恋愛をとりまく さまざまな心もよう。 一つの事実に対して、その人の感情により、 立場により、こんなにも想いが 異なるという事実。 愛すること、愛されることの意味、 そして、そのことによって変わる人生の重み。...
《猟銃》 妻・愛人・愛人の娘、その三通からの手紙から 浮き彫りにされる、恋愛をとりまく さまざまな心もよう。 一つの事実に対して、その人の感情により、 立場により、こんなにも想いが 異なるという事実。 愛すること、愛されることの意味、 そして、そのことによって変わる人生の重み。 短編ではありながら、読んだあと、 しみじみと考えさせられた。
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