“私"という演算 の商品レビュー
この著作には9編の散…
この著作には9編の散文が収められているものの、それはいずれもひとつの問いを一貫して追求する思考の試みである。その問いとは、今ここに生きている<私>という存在が、<私>が生まれる以前の者たちや、<私>自身の過去の記憶、そしてやがてくる死といかにし...
この著作には9編の散文が収められているものの、それはいずれもひとつの問いを一貫して追求する思考の試みである。その問いとは、今ここに生きている<私>という存在が、<私>が生まれる以前の者たちや、<私>自身の過去の記憶、そしてやがてくる死といかにして繋がりうるのかというものである。著者は思考を繰り返すものの、問いの答えは提出せず、その問いはそのまま読者に提出されている。
文庫OFF
この作家が芥川賞をとった理由を考えている。 もちろん講評は読んだがしっくりこなくて。 この作家にネガティブな印象をもっているわけではない。
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思考のプロセスを日常描写をまったく省いて描いたものであり、小説なのか評論なのかという問題はあるけれど、いずれまた再読はするだろうと思う。
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日常の片隅で感じる違和感やひっかかり。この感覚がたとえちっぽけであっても、大切なものなんだと教えてくれたこと。この感覚の正体をつかむ手がかりをくれたこと。この二点において、この本はわたしにとってとても貴重です。
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何度読んだかわかりませんね、これも。特に「閉じない円環」が好きです。小津を見始めたので、小津について触れられている保坂さんの作品をちょっと読んでみようかと思ったんです、今回は。保坂さんの「そうみえた『秋刀魚の味』」を読んだのみの僕の中の笠智衆のイメージはもっともっとふてぶてしいお...
何度読んだかわかりませんね、これも。特に「閉じない円環」が好きです。小津を見始めたので、小津について触れられている保坂さんの作品をちょっと読んでみようかと思ったんです、今回は。保坂さんの「そうみえた『秋刀魚の味』」を読んだのみの僕の中の笠智衆のイメージはもっともっとふてぶてしいおっさんだったんですけど、実際に小津作品で見た笠智衆は全然違いましたね。というか、寅さんとかにも出てましたよね、笠智衆。あー、あの人だったのかと思った。(06/4/29)
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