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崩壊させない学級経営の勘どころ の商品レビュー

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2011/07/06

教育関係者だけでなく、子どもかかわる多くの人に、あるいは子育てに悩む親に広く読んでもらいたい本だ。学級や学校の崩壊が深刻な問題となっているが、著者は長年、中学校の現場で崩壊を喰い止めようと真剣に取り組み、素晴らしい成果を得てきた教師だ。その誠実な取り組みから滲み出てくる文章に深く...

教育関係者だけでなく、子どもかかわる多くの人に、あるいは子育てに悩む親に広く読んでもらいたい本だ。学級や学校の崩壊が深刻な問題となっているが、著者は長年、中学校の現場で崩壊を喰い止めようと真剣に取り組み、素晴らしい成果を得てきた教師だ。その誠実な取り組みから滲み出てくる文章に深く共感する。著者の実践の大前提は「どこまでも子どもの性善なることを信じ、その成長を心から願う」という姿勢である。そうした姿勢の背景には、さらに「人間は生まれたときから死ぬまでの間だけ生きているような、はかない存在ではない。一人ひとりの個性はもっと深い存在根拠をもつ」というシュタイナーから学んだ死生観がある。そんな教育観、死生観を基盤にして、学級や学校の崩壊を食い止めるための、著者が体験から確認してきた「勘どころ」が多くの実践例とともに、きわめて具体的にていねいに語られていく。そこには、教育現場だけではなく、子どもに対するすべての大人にとって大切な「勘どころ」も含まれる。教師たちにこういう人間観と子どもへの誠実な姿勢、真剣さ、「勘どころ」があれば、確かに学校の荒れは食い止められるだろうと得心できる内容だ。

Posted byブクログ