バリ、夢の景色 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
バリ島に行く機会があり 行く前と滞在中に読んだ。 バリの芸術に影響を受けながら、今日のバリ芸能の基礎 をつくったドイツ人の伝記。 シュピースの先祖の仕事や経歴から、シュピースの生い立ちから死に至までを綿密な取材で描く。 中で紹介される絵も素晴らしい。 絵の中に音楽があり、音楽の中に人生があり、 人生の中に芸能があり、芸能の中に世界がある。 そのような入れ子構造に浸って ひたすら余韻を感じている幸せ のようなものがシュピースは好きだったのではないだろうか。 シュピースの絵をバリ人に見せたが、ひとりを除いて知らなかった。知っているといったひとりも本当かどうかは疑わしい反応だった。 もっとも驚いたのはヴィッキーの「バリ島物語」にでてくる医師というのがシュピースであるという指摘。 とすれば シュピースは小説家として超一流であった可能性もある。 芸術とは良い審美顔をもつ鑑賞者がいなくても 生まれるものなのだろうか。 いい本を読んだ。
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この本も欲しいのだがいかんせん、高くて踏み切れない。賛否両方あるが、やはりすごい人だったと思う。よそ者の目と手とカネと異常な愛情がないと、伝統文化ってのは廃れ、消え、進化もしない。明治の頃の日本文化のように。 ドイツへ行ったとき、彼に関する本がないかと思ったら、かなりインテリそ...
この本も欲しいのだがいかんせん、高くて踏み切れない。賛否両方あるが、やはりすごい人だったと思う。よそ者の目と手とカネと異常な愛情がないと、伝統文化ってのは廃れ、消え、進化もしない。明治の頃の日本文化のように。 ドイツへ行ったとき、彼に関する本がないかと思ったら、かなりインテリそうな古本屋の店主でも知らなかった。みんなすごい興味を持ってくれたよ。
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