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中国の自動車産業がニッポンを追い抜く日 の商品レビュー

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2011/01/18

著者は日本人なのだが、中国生まれで中国に対する思い入れが強いように感じる。そのため、やや中国よりの目線で書かれているため、日本人の自分としては読んでいて若干気分が悪い。笑 しかし、それゆえに中国人の日本に対する感情や中国の現状は理解しやすかったように思う。中国の自動車のシェアにお...

著者は日本人なのだが、中国生まれで中国に対する思い入れが強いように感じる。そのため、やや中国よりの目線で書かれているため、日本人の自分としては読んでいて若干気分が悪い。笑 しかし、それゆえに中国人の日本に対する感情や中国の現状は理解しやすかったように思う。中国の自動車のシェアにおいて何故VWがトップなのか。日本は何故出遅れているのか等が中国の自動車産業の歴史とともに説明されている。「技術」の取り扱いというものは非常に難しいと感じた。VWがトップなのは「技術」の提供を中国が一番困っているタイミングで行ったことにより、中国と良好な関係を築くことに成功したからであり、日本は技術提供を断ったために出遅れる結果となった。しかし、じゃあ「技術」をすべて開示してしまえば良いのかというとそれも違うと思う。長い目で見たときにどうすることがベストなのか。非常に難しい問題である。自動車に限らず、中国にメーカーが進出しようとすると常に先端技術の開示を求められているイメージがある。国際市場で勝ち残っていくためには中国市場においてそれなりのシェアを確保することが非常に重要であるとは思うが、その際に日本の根幹である「技術」をどのように取り扱っていくべきなのかが気になる。中国が一応の社会主義国家であり共産党独裁政権であることも問題をややこしくしている。ほんとに悩ましい問題だと思った。 あと、本のテーマとは関係ないのだが、文中に登場する盛軍氏の「ブームが始まったら、それはもうブームではなくなるのだ。」という言葉が非常に印象に残った。

Posted byブクログ