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アンナとロッテ の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2018/08/28

今頃初読み。アンナに気持ちが加担して、ロッテは何で分からないのーとかイラついてしまったり。でも子供がいたらアンナも歩み寄らなかったのかな、と思ってしまったり。双子が別々の対立する世界で生きてしまった残酷さ。でも日常ありえることかもとふと感じたり。スケールは違うけど。「他人の言葉を...

今頃初読み。アンナに気持ちが加担して、ロッテは何で分からないのーとかイラついてしまったり。でも子供がいたらアンナも歩み寄らなかったのかな、と思ってしまったり。双子が別々の対立する世界で生きてしまった残酷さ。でも日常ありえることかもとふと感じたり。スケールは違うけど。「他人の言葉を鵜呑みにしないで、自分でよく考えること」作者様からのメッセージは今特に。必要なことなんじゃないかと思いました。

Posted byブクログ

2019/01/16

ベルギーのスパの温泉保養所で、偶然に再会した双子の姉妹。 幼い頃はケルンに住んでいたが両親を亡くして、別々な親戚に引き取られていた。 ロッテはオランダの裕福な家庭へ。 何不自由ない暮らしで、義理の姉たちとも仲良く暮らす。父の従兄弟が義理の父となるが、かなり癖があって利己主義なため...

ベルギーのスパの温泉保養所で、偶然に再会した双子の姉妹。 幼い頃はケルンに住んでいたが両親を亡くして、別々な親戚に引き取られていた。 ロッテはオランダの裕福な家庭へ。 何不自由ない暮らしで、義理の姉たちとも仲良く暮らす。父の従兄弟が義理の父となるが、かなり癖があって利己主義なため、浮気による夫婦げんかや重い病気の看病など、重い経験もする。 アンナは、貧しい農夫の祖父の元へ。 働き手として苛酷な労働を強いられる。 祖父が死に、伯父が結婚した相手マルタが怠け者でたちが悪かった所から、更に農奴のような暮らしに。 見かねた神父が民生委員を派遣し、尼僧院で休養して15㎏太って人並みに。神父の計らいで家政婦になる学校を出て、働き始める。 実の父を知っていた貴族フォン・ガウリッツの館で働くことが出来るようになり、とても頼りにされる。 恋人のマルティンと戦争中に結婚するが、爆撃でなくなる。 アンナとロッテは互いに手紙が来ないのを不審に思い、忘れられたと思うのが辛く、しまいに死んだものと思ってしまう。 アンナの送った手紙は祖父や叔父が留めていたのだ。これもずいぶん酷い話ですね。 そのために若い頃に生きていると知ってアンナが喜んで連絡をしてきてやっと再会するのに、自然な態度が取れなかったロッテ。 ロッテはユダヤ人の恋人が出来るが、ナチスのユダヤ人狩りにあってあっけなく失う。 当初は命に関わるとまで知られていなかったので、ユダヤ人はいるかと言われて前に出てしまったのだ。 その後、何人もユダヤ人を匿うという経験をしたため、ドイツ人嫌いになり、また自分がドイツ人という非難を受けたこともあり、アンナに対しては心を閉ざす。 子供にも孫にも恵まれたが、アンナと再会したときには戦後45年、夫の死後10年たっていた。 何度も話を聞き、時に反発しつつも、次第に理解し始めるが… 第二次世界大戦を挟んで、オランダとドイツという国情の違う国で育った波乱の人生。 著者は1946年オランダ生まれ。 ドイツ人を嫌う雰囲気の中で育ち、長じてフランスでドイツ人女性の話を聞く。ナチス支配下のドイツの一般人もまた被害者であったと思うようになり、その女性がアンナのモデルに。 ロッテにはいくらか母の面影があるらしい。 93年発表のベストセラー。15カ国語に翻訳され、2002年映画化。

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