なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか の商品レビュー
記憶と心の関係について書かれた心理学者の本。著者は「記憶のエラー」についてやや肯定的に捉えているように思えるが、個人的記憶に関しては自己防衛としてのメリットはあっても、社会的記憶に関してはデメリットしかないように思える。歴史学者はそういった「エラー」が起こらないように、細心の注意...
記憶と心の関係について書かれた心理学者の本。著者は「記憶のエラー」についてやや肯定的に捉えているように思えるが、個人的記憶に関しては自己防衛としてのメリットはあっても、社会的記憶に関してはデメリットしかないように思える。歴史学者はそういった「エラー」が起こらないように、細心の注意を払うべきではあるが、そこには認識や解釈の問題も入り込んでくるので、非常に厄介ではある。このような複雑に入組んだ問題は心理学だけではなく、歴史学・社会学・哲学等々の学際的な観点から探求されるべき非常に大きくて重要なテーマであるように思える。
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記憶に関しての本。記憶に関してはあんまり知識がない現状で読んだけど、まぁまぁ楽しめた。 だけど、内容的にはちょっとむずかしいな、という部分もあり、もっと初歩的なものから入っても良かったかな、と思った。 ちょっと、具体的な記憶の問題に関する対策が載ってそうで、載りかけてて、載って...
記憶に関しての本。記憶に関してはあんまり知識がない現状で読んだけど、まぁまぁ楽しめた。 だけど、内容的にはちょっとむずかしいな、という部分もあり、もっと初歩的なものから入っても良かったかな、と思った。 ちょっと、具体的な記憶の問題に関する対策が載ってそうで、載りかけてて、載ってないな、とも思った。 実験とかがたくさん乗ってて、そこから分かることなんかが書かれている系。それがすんなり入ってくるといいんだけど、僕の知識では、実験とその後の説明があんまりつながらない部分もあった。でも、内容はすごい良さそう。また少し勉強したら読み返してみたい。
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今年読んだ本の中でベスト。 著者は心理学者で、記憶の研究の第一人者らしい。 記憶はあてにならなくて、しばしば自分をがっかりさせる。 それらエラーを7種類に分類し、数々の実験結果とともに紹介。 著者は記憶のいい加減さ、あてにならなさ加減は、実は人間を守るため、また大切なことを覚えて...
今年読んだ本の中でベスト。 著者は心理学者で、記憶の研究の第一人者らしい。 記憶はあてにならなくて、しばしば自分をがっかりさせる。 それらエラーを7種類に分類し、数々の実験結果とともに紹介。 著者は記憶のいい加減さ、あてにならなさ加減は、実は人間を守るため、また大切なことを覚えているために必要なことではないかと提起する。 ではどうすれば記憶したいことを記憶しやすくできるか、ということについても科学的な知識を与えてくれる良書。
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脳という器官が持つ記憶のメカニズムを解説しています。 言葉が喉まで出かかっている現象を「舌端現象」といい。 記憶はコンピューターのデジタルデータのように機械的に刻み込むのではなく、 様々な要素が複雑に絡み合って脳に蓄積されているそうです。 要素とは事象や感覚、その人の価値観です...
脳という器官が持つ記憶のメカニズムを解説しています。 言葉が喉まで出かかっている現象を「舌端現象」といい。 記憶はコンピューターのデジタルデータのように機械的に刻み込むのではなく、 様々な要素が複雑に絡み合って脳に蓄積されているそうです。 要素とは事象や感覚、その人の価値観です。 それらをわかりやすく述べています。 つまり、脳の構造と記憶の仕組みをええと あれだ あれ。 なんだっけ?
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面白かった。記憶について物忘れ、不注意、妨害、混乱、暗示、書き換え、忘れられないというテーマに分けて実験結果や実際にあった事件などに基づいて説明している。どれも興味深いことばかりだったけれど、90年代に問題になったという「回復された記憶」論争(幼児期に虐待を受けたとして子供が親を...
面白かった。記憶について物忘れ、不注意、妨害、混乱、暗示、書き換え、忘れられないというテーマに分けて実験結果や実際にあった事件などに基づいて説明している。どれも興味深いことばかりだったけれど、90年代に問題になったという「回復された記憶」論争(幼児期に虐待を受けたとして子供が親を訴える。多くの訴えは正しくなかったと判明)で偽記憶症候群などの、暗示によって誤った記憶を思い出す原因が、本人が暗示にかかりやすいタイプだということと、誤った記憶を視覚イメージ化する鮮明さの数値が高いせいだということ。また記憶の書き換えにおける調和編集と変化編集なども頭にとどめておきたいことだった。左脳には要注意だと思った。
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