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それから光がきた の商品レビュー

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2024/05/26

新川和江さんの詩集ですね。 水内喜久雄さん(1951年、福岡生まれ、作家)の編集によるアンソロジーです。 内田新哉さん(1960年、熊本生まれ、画家)の美しいペン画のスケッチが、詩集を荘厳します(表紙は水彩で彩られています)。      自然よ  うつくしい自然よ  どうし...

新川和江さんの詩集ですね。 水内喜久雄さん(1951年、福岡生まれ、作家)の編集によるアンソロジーです。 内田新哉さん(1960年、熊本生まれ、画家)の美しいペン画のスケッチが、詩集を荘厳します(表紙は水彩で彩られています)。      自然よ  うつくしい自然よ  どうしたら どうしたら  あなたのうつくしさに  つり合えるだろう    くつを脱いで わたしははだしになってみた  そよぐ緑  やわらかな青草  ゆらめくかげろう  たちのぼる ひばりの歌  どうしたら どうしたら  あなたのうつくしさに  つり合えるだろう    きものを脱いで わたしははだかになってみた  森のしずけさ  風のたわむ 枝のやさしさ  ひと知れずみのる野ぶどうの  思いのゆたかさ  どうしたら つり合えるだろう  うつくしい自然よ 自然よ  わたしはひねもすだまっていた ことばを捨てて…       わたしの中にも   つくし つばな   つんつん伸びる   丘のポプラには較ぶべくもないけれど   天に向かって   まっすぐ 背伸びして   わたしの中にも そのように   せいいっぱい伸びようとするものがある   どんなに低くとも   光がみち 天上の風が吹いている   もんしろ蝶 もんき蝶   ひらひら舞い立つ   羽化したばかりの   まだ濡れているういういしい羽をひろげて   はじめての空に   わたしの中にも そのように   ことばのひらく気配がある   たくさんの人に   春のよろこびを伝えることば   ひとりのひとに   思いを告げるただひとつのことば       歌   はじめての子を持ったとき   女のくちびるから   ひとりでに洩れだす歌は   この世でいちばん優しい歌だ    それは 遠くで   荒れて逆立っている 海のたてがみをも   おだやかに宥めてしまう   星々を うなずかせ   旅びとを 振りかえらせ   風にも忘れられた さびしい谷間の   痩せたリンゴの木の枝にも   あかい 灯をともす   おお そうでなくて   なんで子どもが育つだろう   この いたいけな   無防備なものが  新川さんの詩は、少女の純真な瑞々しさを、いつまでもいつまでも、命の賛歌を高らかに歌い上げています。心が洗われる清々しさに満たされますね。自然と私が渾然一体となって、おおらかに優しくそして愉快に歌い上げています。  読んでいて嬉しくなります。生きる歓びに、希望を平和を夢を膨らませる想いに溢れます。

Posted byブクログ

2009/10/04

こちらは新哉さんらしい(?)爽やかな絵ですね。 新川和江さんの詩集に、新哉さんの挿絵がつくなんて、 本当に素敵なことだなぁと嬉しいです。

Posted byブクログ