溺れる市民 の商品レビュー
島田雅彦の短篇集。ブラックの効いた落語のような掌編もあれば、読み応えのある中篇も。この中でどれが一番かと無理やり選ぶとしたら、『幻の女優』か『私が岩石だった頃』。『燃えつきたユリシーズ』で刑務所から恩赦で20年ぶりに世の中に放り出された男の話に出てくる大震災がが阪神淡路を指すこと...
島田雅彦の短篇集。ブラックの効いた落語のような掌編もあれば、読み応えのある中篇も。この中でどれが一番かと無理やり選ぶとしたら、『幻の女優』か『私が岩石だった頃』。『燃えつきたユリシーズ』で刑務所から恩赦で20年ぶりに世の中に放り出された男の話に出てくる大震災がが阪神淡路を指すことに気づき、奥付を見ると2004年の出版。この本が上梓されてから10年、世の中はさらに混沌としていることに暗澹たる気持ちになる。
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2005.10.末日 「英語でしゃべらナイト!」に島村さんが出てて、借りてみた短編集。うーん。おもしろいのもあったし、"ねむりが丘"っていうところでつながってて、ただ、それぞれが短すぎた。好きになれるかどうか分からんほどに。
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東京郊外、眠りが丘。一時の快楽に身を委ね、堅実なはずの人生を踏み外す人々。彼らはただ、自らの欲望に素直なだけだったのかもしれない…。夢想の町・眠りが丘を舞台に島田雅彦が描き出す、スキャンダラスな小説集。
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人は皆、アルコールに溺れて生きるのである。ある者にとってアルコールは女であり、またある者にとっては男であり、性であり、芸術であり、過去への憧憬であり、猫であり、その対象は人の数だけ流出する。そして最悪の場合が死であったりするのだ。この本に欲望に泳がされる人間の性というものをみせら...
人は皆、アルコールに溺れて生きるのである。ある者にとってアルコールは女であり、またある者にとっては男であり、性であり、芸術であり、過去への憧憬であり、猫であり、その対象は人の数だけ流出する。そして最悪の場合が死であったりするのだ。この本に欲望に泳がされる人間の性というものをみせられた気がする。私にとって島田雅彦は嫌よ嫌よも好きのうちなんだよね。
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笑えるものから怖いものまで、短い作品からちょい長いくらいの作品までいろいろな作品が収められた一冊。そして、いずれの作品も主人公は一般市民だってこと。今の僕は中級くらい・・・。(2005/1/5)
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島田作品を初期から愛してきた読者に対する作者のファンサービス的な趣の短編集です。初期以来のファンにとっては少し物足りなさを感じます。
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