松本清張傑作短篇コレクション(下) の商品レビュー
宮部みゆきが編集した…
宮部みゆきが編集した短編集の下巻。デビュー作でもある「西郷札」は、歴史の表に現れない部分に光をあてる著者の作風の出発点と感じた。
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第九章の「松本清張賞…
第九章の「松本清張賞受賞作家にききました」が面白いです。
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「西郷札(サイゴウサ…
「西郷札(サイゴウサツ)」は、やっぱり、今読んでも意表をつく傑作。そして、横山秀夫氏が、自分ならこう書くぞと、清張氏の「地方紙を買う女」のストーリーに挑んだ部分が、興味深く読める。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『生けるパスカル』で挫折しそうになりましたが、なんとか読了。 『西郷札』初読。面白かったけど、結末に放り出され感はあり。 読解力不足のせいかも。『鴉』は逆に、結末のシーンが印象的。 どっちも、男の嫉妬が根底にある。誰も幸せにしないのよね。
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宮部みゆき氏責任編集の松本清張短編集。どの作品も面白い。自分が、この下巻の中で好きな作品は「鴉」だ。ウダツの上がらないサラリーマンの一時の栄光と転落。嫉妬と憎悪。東京都下、多摩を飛ぶ鴉が目に浮かぶようだ。
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「生けるパスカル」 清張氏の短編はほとんど読んでいるが、これは初。 宮部みゆきさんの選んだ松本清張ワールド。 図書館の順番が(下)が先にまわってきた。 そんなことはともかく、とても面白く読んだ。 さすが宮部さんがお選びになっただけあって含蓄があった。 ちょうど私の関心事とも合致...
「生けるパスカル」 清張氏の短編はほとんど読んでいるが、これは初。 宮部みゆきさんの選んだ松本清張ワールド。 図書館の順番が(下)が先にまわってきた。 そんなことはともかく、とても面白く読んだ。 さすが宮部さんがお選びになっただけあって含蓄があった。 ちょうど私の関心事とも合致したのかもしれない。 お題「生けるパスカル」の「パスカル」を、 『「人間は考える葦である」と唱えた学者の「パスカル」ではない。』 と語る宮部さん。確かにそうなんだけど、ちょっと関係があるのよ、そこが憎い。 考える葦だよ、悩むんだよ、人間は。 『人間の本当の生命と、人々が安住している虚構の世界との関係』(P73) 要するに、自分が思っている理想の生き方はなかなか出来なくて、実際の人生は虚構の世界のように創っていかなくてはならない。私たちは虚構の世界を見ようとして本などを読むが、本当は実人生が虚構の連続なのかもしれないという、極限状態の恐ろしさ。イタリアはノーベル文学賞のルイジ・ピランデルロの作品「死せるパスカル」を例に引いて述べるられている。(ピランデルロって本当にいたの?) 私は上記のところにぐっと来たのだが、この短編の結末はやはり松本清張ワールド、期待通りなのだけれど…。 ***** さて、(下)で未読なのはもうひとつ「骨壺の風景」…「半生の記」とダブり、涙した。清張氏の原点。 後は宮部さんの語りと松本清張受賞作家の寄稿を楽しんだ。 松本清張受賞作家…山本兼一(2004年11回)、森福都(1996年3回)、岩井三四二(2003年10回)、横山秀夫(1998年5回)らの一文。 こんなにも清張氏は暖かく愛されていたのかかと驚いた。嬉しかった。賞を頂いたからという訳でもないだろう。 「支払いすぎた縁談」「帝銀事件の謎」「鴉」「西郷札」「菊枕 ぬい女略歴」「火の記憶」 久しぶりに松本清張の作品に触れてみて、どれもこれも今読んでも面白いこと請け合いと思う。 この宮部みゆき責任編集松本清張短編コレクションは、このごろの入れこしゃりこの小説ばやり、このような企画ならば古い清張氏の小説も蘇るだろうよと、企画妙味、効果があるといいねと老婆心。 ***** ところで、私は清張作品をほとんど読んだと豪語していたのだが、それはうそだった。 持っているのが自慢な文藝春秋社の「松本清張全集」は38巻まで。(第1期というらしい)そこまでしか読んでいなかったのだ。 私は1974年(昭和49年)以後購入していない、その後調べてもいなかった。(汗) 文藝春秋社の「松本清張全集」は第3期まで66巻もあるらしい。オアゾの「丸善」で見たよ。よくも次々と出したものだ。清張氏の膨大な著書よ! ちなみに古いのと装丁は同じ。値段は当時880円、現在は3,262円。おおーぉ。
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日本の黒い霧の帝銀事件の部分、だいぶ読まされた感じ。GHQとの関係のあたり。あと生けるパスカルは、似た境遇の人結構いるんちゃうかな…………。
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コロナウイルスの外出自粛で、家にある本を再読してみようと思い、、、松本清張を探してみたのだが、上・中が、見つからない! 仕方ないから、下を読み出したのだが、昔読んだはずなのに、又、面白さを感じてしまった。 スマホやテレワークの出来る今の世の中だが、小説の面白さは、この明治時代の...
コロナウイルスの外出自粛で、家にある本を再読してみようと思い、、、松本清張を探してみたのだが、上・中が、見つからない! 仕方ないから、下を読み出したのだが、昔読んだはずなのに、又、面白さを感じてしまった。 スマホやテレワークの出来る今の世の中だが、小説の面白さは、この明治時代の話でさえ、松本清張氏の筆の上手さなのか、色あせていない。 山本兼一氏、森福都氏、岩井三四二氏、横山秀夫氏お水仙する小説も読んだ事があり、「西郷札」「菊枕」・・・も面白かったです。
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責任編集:宮部みゆき 支払い過ぎた縁談◆生けるパスカル◆骨壺の風景◆帝銀事件の謎◆鴉◆「真贋の森」と「西郷札」(山本兼一)◆「菊枕」と思い出の高校演劇(森福都)◆「火の記憶」の記憶(岩井三四二)◆『地方紙を買う女』もどきを書いてみる(横山秀夫)◆西郷札◆菊枕◆火の記憶
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宮部さんによる松本清張傑作短編集最終巻。 今回のコンセプトは・・・ ズバリ、「作家松本清張の書きたかったもの」という気がします。 「タイトルの妙」という章に納められた3つの短編、 「支払い過ぎた縁談」「生けるパスカル」「骨壷の風景」は、 どれもタイトルを見ただけで、 その内容を...
宮部さんによる松本清張傑作短編集最終巻。 今回のコンセプトは・・・ ズバリ、「作家松本清張の書きたかったもの」という気がします。 「タイトルの妙」という章に納められた3つの短編、 「支払い過ぎた縁談」「生けるパスカル」「骨壷の風景」は、 どれもタイトルを見ただけで、 その内容を想像し、早く読みたくてたまらなくなりました。 タイトルから読者の興味を引き付ける、 そんな手腕も清張さんは持っていたのかなと思うほど、 スリリングなタイトルの付け方です。 そして、次の章では、権力についての作品が並びます。 「帝銀事件の謎」・・・ 昭和の事件史を清張さんがかくとこんなにもミステリアスになるのです。 実際に起こった帝国銀行での毒殺事件。 その裏にはおそるべき政府とGHQのやり取りがあり、 さらにその奥には、あの戦争時に 細菌兵器の研究に取り組んでいた731部隊の上層部の存在が 見え隠れしています。 戦後の日本において絶対の権力者だったGHQの所業を 清張さんは冷静で論理的に描き表わしていました。 まさに、「記者の眼」です。 清張作品の中には、 社会の悪を暴いた小説も少なくはないのですが、 それを出版するには、それなりの覚悟が要ったことだろうと思われます。 そうまでして清張さんが世の中に残しておきたかったもの。 それは何だったのか。 私の未熟なレポなんかよりも、 実際の原作を読んでみてくださいとね。 清張さんがまだ生きていらしたら、 現代社会を題材に、どんな小説を書いて下さるのか、 私はそちらの方に興味がわいてきました。 ミステリー小説もさることながら、 政府の胸元深くにナイフを突き立てるような 鋭い観点の社会派小説が登場するような気がしてなりません。 政界の裏・・・清張さんだからこそ描けた分野です。 今はそこまで深く取材して小説に仕上げてくれるような 大物の小説家は存在しないと思います。 つくづく、お亡くなりになったのが惜しまれます。
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