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空間の行間 の商品レビュー

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2020/09/26

空間の行間 (和書)2010年06月11日 21:48 2004 筑摩書房 磯崎 新, 福田 和也 意外と読み易い本でした。 磯崎新はとても好きだし、福田和也は石原莞爾の本で読んだことがあった。 村上春樹の自我については、自己同一性の幻想ということでの幻想であるという部分...

空間の行間 (和書)2010年06月11日 21:48 2004 筑摩書房 磯崎 新, 福田 和也 意外と読み易い本でした。 磯崎新はとても好きだし、福田和也は石原莞爾の本で読んだことがあった。 村上春樹の自我については、自己同一性の幻想ということでの幻想であるという部分がとても上手く捉えてられているのかなって思った。

Posted byブクログ

2010/01/04

私にとって面白かったのは、日本建築と日本文学との比較の中から磯崎新氏の思考(思想)・建築観が、氏の難解な著作より分かり易い形で読み取れたことであった。加えて日本と中国・朝鮮の歴史、文学、芸術に関する磯崎氏の膨大な知識量を再認識し、翻って己の無知さ加減を猛省した。やはり勉強は必要だ...

私にとって面白かったのは、日本建築と日本文学との比較の中から磯崎新氏の思考(思想)・建築観が、氏の難解な著作より分かり易い形で読み取れたことであった。加えて日本と中国・朝鮮の歴史、文学、芸術に関する磯崎氏の膨大な知識量を再認識し、翻って己の無知さ加減を猛省した。やはり勉強は必要だ。 日経新聞で連載された磯崎氏の「私の履歴書」をまとめて読んだところであったので、万博をめぐる丹下健三、岡本太郎の件などは「私の~」が丁度良いサブテキストとなった。 本の内容は、磯崎氏がひとつの歴史的文化的区分を代表する日本建築を提示し、福田氏がその時代を担うような文芸または思想のテキストを取り上げ、両者を併置・対置したときに見えてくる文脈や照応を探る企画の対談。全12回+番外編から成る。 磯崎氏の言う「表現する根拠の不在」は、モダニズム以降における建築表現上の課題だと思うが、例えばカーンのような根拠の求め方は非常に魅力的であるものの、あまりに一般的ではない(万人が到達できる方法ではない)。最近もてはやされている「環境」が「表現する根拠」になり得るとも思えない。はっきりとしたビジョンはイメージできないが、「不在」を「不在」のまま放置することなく、不在を埋めることが可能かどうかを根気強く考え続けていくことが、せいぜい自分にできることではあるまいか、と思う次第です。

Posted byブクログ