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アメリカ外交とは何か の商品レビュー

3.8

13件のお客様レビュー

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2016/03/16

これでもかと言わんばかりにアメリカ外交を100年分叩き続ける本なのではっきりと好き嫌いが分かれるだろうが、その分を差し引いても極めて良著である。新書というサイズの中でアメリカ外交のエッセンスがコンパクトに詰め込まれており、最初の一冊に最適。 道義を前面に押し出すアメリカ外交が如何...

これでもかと言わんばかりにアメリカ外交を100年分叩き続ける本なのではっきりと好き嫌いが分かれるだろうが、その分を差し引いても極めて良著である。新書というサイズの中でアメリカ外交のエッセンスがコンパクトに詰め込まれており、最初の一冊に最適。 道義を前面に押し出すアメリカ外交が如何にして形成され、戦後に大きく揺れ、冷戦終結を迎えたかを解説。特に、高邁な理想の元に行われた戦争が現地ではどのように展開し、どのような負の影響を与えたのか、また理想主義外交をめぐって国内でどのような論争が起きたかに力点を置く。 論争の中心となった名著の数々を矢継ぎ早に紹介してくれるも非常にありがたい。アメリカ外交史のブックガイドとしても活躍できる。

Posted byブクログ

2015/01/11

アメリカにとって戦争はあくまでも外国の地で戦われるはずのものであった。 アメリカを敵に回すことが軍事的のみならず、経済的にも思い知らせるものであった。 アメリカの過ち、先住民の制圧と奴隷制の保持 孤立主義、(ヨーロッパと)同盟しない。 領土=購入⇒拡大、戦争なき征服 アメリカの...

アメリカにとって戦争はあくまでも外国の地で戦われるはずのものであった。 アメリカを敵に回すことが軍事的のみならず、経済的にも思い知らせるものであった。 アメリカの過ち、先住民の制圧と奴隷制の保持 孤立主義、(ヨーロッパと)同盟しない。 領土=購入⇒拡大、戦争なき征服 アメリカの植民地政策とパターナリズム 開戦のきっかけキューバ 暗闇に座る人 アメリカは自分の反発を理解できない。 勝利なき平和 民主主義のための戦争 金銭的と倫理的な側面 1993金本位からの離脱 戦争がプロパガンダである面 「戦争は国家の健康」 マッカーシズム、なんだったのか? リベラリズムの台頭 保守主義?の歴史の終わり?

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2013/09/16

一通り細かく読んだけど、各章最初に素晴らしいまとめが載ってて、そこを通読するだけでも、アメリカの歴史がある程度俯瞰できる気がした。もし読み返すなら、極端な話、そこだけでも良いかも。かの国は、外から見ていて明らかにそれと分かるくらい、建前が重要な意味を持つのだろうし、とある人間が間...

一通り細かく読んだけど、各章最初に素晴らしいまとめが載ってて、そこを通読するだけでも、アメリカの歴史がある程度俯瞰できる気がした。もし読み返すなら、極端な話、そこだけでも良いかも。かの国は、外から見ていて明らかにそれと分かるくらい、建前が重要な意味を持つのだろうし、とある人間が間違った方向に動いてしまったとしても、それを柔軟に是正するのが困難なくらい、巨大な存在として君臨している。人間の場合にも当てはまる、トップに立つことの困難さを、国家としてその歴史が物語っている点で、非常に興味深く読み進めることができました。

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2012/08/28

特に発見はなかったけど、教科書的に通史としてアメリカ外交を読むことができる。 アメリカという国家、その行動を支える理念を外交政策の歴史から分かりやすく抽出してまとめている。 賛否はともかく一貫して国家の理念を提示して行動しようとする強い国家像は日本には望むべきもないような。。

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2012/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

パスクアメリカーナという見出しがあるが、これはラテン系のことばだ。 peace america、アメリカによる平和。 なぜ、アメリカの方針をラテン語系のことばで表現するのか。 アメリカ大陸はほとんどの国がスペイン語で、アメリカが英語、カナダが英語とフランス語、ブラジルがポルトガル語という偏在している状況との関係を細かく説明しているとうれしい。 アメリカによる戦争が、アメリカ外交のように見える。

Posted byブクログ

2011/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『アメリカの外交は近年、様々な方面から批判されている。 では、アメリカの外交はどのような価値観に基づいているのだろう?  という疑問を解決しようと思って手に取った本。 正直、十分に満足できる答えは得られなかったが、一般的にメディアで語られている内容や、その背景となる歴史などについては網羅的に、適度な詳しさで語られていた。 また、図表の活用や章頭の概論など、レイアウト的にはかなり評価できる。 新書という性格を考えれば優れた一冊と言えるだろう。 難点は、独創性があまりないように感じられたこと。 アメリカについての入門書としては重宝するだろうが、すでにかなりの知識がある人には物足りないかもしれない。』

Posted byブクログ

2011/03/30

著者は現・成蹊大学法学部教授。 【構成】 序 章 アメリカ外交への接近法 第1章 アメリカ外交の源泉 第2章 西半球の警察官 第3章 ウィルソンの夢とその後 第4章 「パクス・アメリカーナ」の虚像と実像 第5章 アメリカの挫折 第6章 「素晴らしい新世界?」 終 章 岐路に立つ...

著者は現・成蹊大学法学部教授。 【構成】 序 章 アメリカ外交への接近法 第1章 アメリカ外交の源泉 第2章 西半球の警察官 第3章 ウィルソンの夢とその後 第4章 「パクス・アメリカーナ」の虚像と実像 第5章 アメリカの挫折 第6章 「素晴らしい新世界?」 終 章 岐路に立つアメリカ外交  各章の扉に、その章の内容が要約されているので、ここでは内容のレビューというよりは、雑感を述べてみたい。  本書は、同時多発テロに際して、アメリカ国内で対外強硬論が高まり、それに異を唱える人々に「反アメリカ的」というレッテルが貼られるという異常な事態に遭遇した著者が、アメリカの対外政策の歴史的変遷の中に、アメリカの説く「自由」「民主主義」(あるいはアメリカ人にとっては「アメリカそのもの」と言えるかもしれない)という外交の根底にある本質を見いだそうというものである。  同様の対象をあつかう村田晃嗣『アメリカ外交』が大統領列伝のような内容で、いかにも素人向けであるのに対して、本書はアカデミックに分析しながらも、その明晰さゆえに一般の人が読んでも様々な示唆を与えられるであろう良作である。  旧大陸の権力政治的な力の外交と一線を画するアメリカ外交の特質は、外交に被統治者であり主権を有する国民の意思を反映させるところにある。つまりアメリカ外交とは、アメリカ人が言う「自由」「民主主義」が対外関係においてあらわれたものなのである。  建国期において合衆国のともす自由の灯りは、合衆国の山の頂上のみを照らすもので他国に押しつけるものではないとされ、その潮流の中にかの有名なモンロー・ドクトリンが位置づけられる。  そして、20世紀に入るとT・ローズヴェルト大統領によって西半球への「アメリカの警察権」が唱えられるようになった。西半球の「自由」の維持のためである。  T・ローズヴェルトの外交は主権尊重のモンロー・ドクトリンとは性格の異なるものだが、さらに興味深いのは元来アメリカの西半球政策であったそのドクトリンがウィルソン大統領によってWorld Wideにその理念が拡大されようとしたことであった。  1930年代に再び孤立主義に回帰するも、第二次世界大戦を経た戦後構想の中で、自由主義経済圏を西欧と協力して展開する姿勢をみせた。  この世界構想が冷戦期の対立をうむわけだが、少なくとも1950年代前半までのアメリカは、この戦後体制を「パクス・アメリカーナ」とすることに一定程度成功を収めていた。  結局のところ、アメリカ外交のプレステージ、つまり対外的に発信するアメリカの「自由」「民主主義」はアメリカが対外的な全幅の信頼を得ていることに依存していた。それが、ベトナム戦争という惨めな結果により大きく傷つき、理想主義的な対外干与から、レーガン政権の「強いアメリカ」、G.W.ブッシュ政権の単独行動、先制も辞さない態度へと転換していった。  アメリカ自身が自国の「自由」「民主主義」に疑問を感じた、ポスト・ベトナム期、そしてソ連という明確な敵を失ったポスト冷戦期において、アメリカ国民自身が「アメリカ」を見失いがちになっているのではなかろうか?

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2010/05/29

[ 内容 ] 世界を善と悪に二分し、自由や民主主義を盾に武力行使に走る現在のアメリカ。 だが、その姿は、アメリカの歴史にとって必ずしも例外的ではない。 建国期から冷戦後にいたるまで繰り広げられてきた自画像をめぐる論争の歴史をたどりながら、超大国の外交がなぜ隘路に陥ったのかを解きほ...

[ 内容 ] 世界を善と悪に二分し、自由や民主主義を盾に武力行使に走る現在のアメリカ。 だが、その姿は、アメリカの歴史にとって必ずしも例外的ではない。 建国期から冷戦後にいたるまで繰り広げられてきた自画像をめぐる論争の歴史をたどりながら、超大国の外交がなぜ隘路に陥ったのかを解きほぐしていく刺激的なアメリカ外交論。 [ 目次 ] 序章 アメリカ外交への接近法 第1章 アメリカ外交の源泉 第2章 西半球の警察官 第3章 ウィルソンの夢とその後 第4章 「パクス・アメリカーナ」の虚像と実像 第5章 アメリカの挫折 第6章 「素晴らしい新世界?」 終章 岐路に立つアメリカ外交 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2013/10/18

(2005.01.09読了)(拝借) 副題「歴史の中の自画像」 「1776年7月4日、アメリカが独立を宣言した」「独立時の州は13」 「アメリカは、1803年にはフランスからルイジアナを、1819年にはスペインからフロリダを購入し、その領土を倍増させた。1920年までには、23州...

(2005.01.09読了)(拝借) 副題「歴史の中の自画像」 「1776年7月4日、アメリカが独立を宣言した」「独立時の州は13」 「アメリカは、1803年にはフランスからルイジアナを、1819年にはスペインからフロリダを購入し、その領土を倍増させた。1920年までには、23州になった。」 「領土を「購入」によって拡大していくという19世紀始めのアメリカの状況は、戦争を通して領土を獲得するのが一般的であったヨーロッパ大陸の状況と際立った対象を見せていた。」「指導者の間では、アメリカは同盟や戦争、陰謀などから自由な新しい外交を追求し、「戦争なき征服」によって領土を拡大することができるという考えが強まっていった。」 「スペイン支配下のキューバでは、1860年代から70年代にかけて、キューバ人による独立運動が展開されたが失敗に終わっていた。」「1898年4月スペインに宣戦布告した。開戦から数日後、米国アジア艦隊が、香港からマニラ湾に向かい、一夜のうちにスペイン艦隊を撃ち破った。」「米西戦争は、わずか3ヶ月で終了した。」「1898年の暮に締結されたパリ講和条約で、アメリカはスペインにキューバの独立を認めさせ、フィリピン、グアム、プエルトリコを獲得する。」「キューバとフィリピンを帝国主義支配から開放し「自由の領域」を拡大することを旗印に掲げていたアメリカが、実際にはこの二つの国の支配者として立ち現れることになった」 「1901年2月、マーク・トウェインは「暗闇に座る人に」と題された一つのエッセイを発表した。トウェインがエッセイの中で、真っ先に糾弾したのは、宣教師たちであった。清朝末期の中国に渡ったアメリカの宣教師たちが、一方ではキリスト教の慈愛や恩寵を説きながら、他方では1900年の義和団の乱に際し、実際に受けた被害の13倍もの賠償額を吹きかけながら平然としている矛盾を彼は皮肉を込めて描きだす。」「続いてトウェインは、アメリカのフィリピンでの行動は、ヨーロッパ流の帝国主義ゲームに他ならなかったと批判する。スペイン艦隊を破ったアメリカは、フィリピン人に主導権を渡して自らの望む政府を樹立するよう促すことができたにもかかわらず、それを拒否して居座ったからである。」 その後も、メキシコ革命への介入、ベトナム戦争への介入などが続く。 著者 西崎 文子 1959年 宮城県生まれ イェール大学大学院博士課程修了 専攻はアメリカ政治外交史 (「BOOK」データベースより)amazon 世界を善と悪に二分し、自由や民主主義を盾に武力行使に走る現在のアメリカ。だが、その姿は、アメリカの歴史にとって必ずしも例外的ではない。建国期から冷戦後にいたるまで繰り広げられてきた自画像をめぐる論争の歴史をたどりながら、超大国の外交がなぜ隘路に陥ったのかを解きほぐしていく刺激的なアメリカ外交論。

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2009/10/04

アメリカ独立から現代までのアメリカの対外政策について、歴史を追ってかかれている。 歴史が苦手な俺は細かいところは流し読みしました。 個人的に「もう一つのアメリカ」という考えに共感した。 今現在こそ「もう一つのアメリカ」を実現される時期だ。 過去にアメリカが採った「モンロー・...

アメリカ独立から現代までのアメリカの対外政策について、歴史を追ってかかれている。 歴史が苦手な俺は細かいところは流し読みしました。 個人的に「もう一つのアメリカ」という考えに共感した。 今現在こそ「もう一つのアメリカ」を実現される時期だ。 過去にアメリカが採った「モンロー・ドクトリン」を今こそ実現すべきだ。 今こそ「内政不干渉」が謳われるべきだ。 そう思う。 ただ、政治に正しいなどありえないだろう。

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