宇宙と生命の起源 の商品レビュー
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宇宙は、インフレーションとそれに続くビッグバンで始まった。 質量をもった重い粒子バリオンが構成部材。光は質量をもたない粒子である光子の集まり。 バリオンは質量の4%程度。残りはダークマターとダークエネルギー。 宇宙の年齢は137億年。見える範囲は、137億光年まで。 宇宙は時間とともに生まれた。 宇宙初期に合成されるのはヘリウム。当初は水素とヘリウムでできていた。太陽内部で50億年水素がヘリウムになる反応が続いている。まだ枯渇しない。水素が枯渇するとヘリウムが反応すると炭素ができる。太陽はそこで反応が終わる。重さによってどこまで反応が進むか決まっている。 太陽の10倍以上重い星は鉄まで合成される。そのあと超新星爆発が起きる。中心部は中性子星かブラックホールになる。超新星爆発の時、鉄より重い元素ができる。中性子が原子核と反応し重い元素が作られる。中性子星の合体によってつくられるという説もある。 それより小さい星は、白色矮星となって収縮と膨張を繰り返す。 2/3は連星。連星の進化は複雑でよくわかっていない。 粒子と反粒子が衝突して光子になってしまい(対消滅)、残った粒子でできていると考えられている。 最も近い銀河団はおとめ座銀河団で、2000個以上の銀河がある。 宇宙ができて38万年ほどで温度が下がり、光子が自由に飛べるようになった=宇宙の晴れ上がり。これが今見えている光。 不安定性とは、平均値からのずれが増幅する作用。宇宙の揺らぎが星の元を作った。 宇宙に存在するダークマターはバリオンの5倍。構造形成の主役はダークマター。熱いダークマターはトップダウンで宇宙を形成する。冷たいダークマターはボトムアップの宇宙を創る。冷たいダークマターで説明できる。星の発生は、密度ゆらぎが原因だった。 銀河の中心部はバジル。100億年前にできた星が中心に集まっている。もっと古い星が回りに分布=ハローと呼ばれる部分。その周りはダークマターがあるはず=銀河がバラバラにならないため。 太陽より小さい星のほうが数が多い。暗いため観測が難しい。 ブラックホールから観測されるのは、落ち込みつつある高温ガスからの光。太陽の20~25倍以上の質量の星が爆発するとブラックホールになる。 太陽系の天体の質量は太陽の1000分の1しかない。そのほとんどは木星型惑星。 天王星型惑星は木星型惑星になれなかった原始惑星。計算すると天王星の年齢は太陽の年齢より超えてしまう=内側でできて木星などの重力で外に運ばれたか。 水惑星の条件=水が供給される、惑星の表面に存在する、液体の水になる。 隕石の組成から水は鉱物の形で持ち込まれた。 海水は地球質量の0.027%に過ぎない。 気体の分子量から大気を保持できる惑星のサイズが決まる。火星程度の大きさ(地球の1/10) 程度は必要。 液体の水になるには気圧と温度の条件が合う必要がある。 暴走温室状態=水が蒸発して大気中に水蒸気が増え、それが温室効果になってさらに蒸発が増えて、すべてが水蒸気となる状態。太陽放射だけで決まる=太陽に近い場合。 逆に温度が低いと、二酸化炭素が凝結して温室効果が働かず全休凍結になる。 その間の状態が必要=近世より遠く、火星より近い範囲。 二酸化炭素が減少すると温室効果が弱まり寒冷化する。太陽放射はゆっくり増大している。 風化したカルシウムイオンは海の二酸化炭素と反応して炭酸塩となり海底に沈殿する。一方でプレート運動で火山ガスとして噴き出す。海底の炭酸塩も石灰岩として地表に出てくる。 季節変化が大きくなると平均気温が変わる。月のおかげで地軸の傾きが一定範囲で収まっている。 火星は太陽から遠いためではなく質量が小さく大気をとどめることができなかったのではないか。冷えてマントル活動が維持できず、温室効果ガスの供給が続かない。 生命とは何か。タンパク質と核酸を使って退社と自己複製を行うもの。地球以外でもそう定義していいかは疑問。 骨格をもつ動物が進化したのはカンブリア紀。多数の動物が登場した=カンブリア大爆発。 哺乳類は、恐竜時代に誕生した。体温を調整する能力があるため恐竜が活動できない夜に活動できた。 被子植物の進化が昆虫類の大爆発を生み、食虫性の哺乳類を進化させた=共進化。さらに植物も食べる雑食性の哺乳類が誕生=霊長類など。 類人猿は新生代の樹上で生活していた。乾燥化によりサバンナに進出した。脳が大型化=共同で獲物を得る。 日本人の起源=中国から渡来した縄文人が全国に広まった。その後朝鮮半島からの弥生人が進出。縄文人はアイヌと沖縄に分断された。 カオスとフラクタル。相転移と深くかかわっている。 非線形科学=量的変化が質的変化を引き起こす=弁証法と同じ。=複雑系。
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岩波ジュニア新書はこの本が初読。 中高生でも読める本だと読み始めたら、全くそんなことはなく、おそらく大学一年生くらいをターゲットにしてそうな内容だった。 11人の専門家が一章ずつ担当した内容を一冊の本にまとめている。 読者によって、興味を惹かれる章が分かれるだろう。 難解な章もあ...
岩波ジュニア新書はこの本が初読。 中高生でも読める本だと読み始めたら、全くそんなことはなく、おそらく大学一年生くらいをターゲットにしてそうな内容だった。 11人の専門家が一章ずつ担当した内容を一冊の本にまとめている。 読者によって、興味を惹かれる章が分かれるだろう。 難解な章もあるが、途中で投げ出さずに全体を通して読めば楽しめると思う。
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高校生にはちょっと難しい?と感じるところもあるけれど、第一線の専門家たちが書いただけあって中身は充実。 才走った高校生が背伸びして読んでほしい本。
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[ 内容 ] わたしたちはいったいどこからきたのか。 宇宙はどのようにして始まり今日のようになったのか。 宇宙、銀河、恒星、惑星、生命の誕生の謎に迫る。 ビッグバンから人類へいたる、美しく壮大な一三七億年の宇宙と生命の起源の物語。 第一線の研究者一一人が、最新情報から熱く語る。 ...
[ 内容 ] わたしたちはいったいどこからきたのか。 宇宙はどのようにして始まり今日のようになったのか。 宇宙、銀河、恒星、惑星、生命の誕生の謎に迫る。 ビッグバンから人類へいたる、美しく壮大な一三七億年の宇宙と生命の起源の物語。 第一線の研究者一一人が、最新情報から熱く語る。 [ 目次 ] 第1章 宇宙の始まり 第2章 元素はどこから来たのか 第3章 宇宙をおおう大規模構造 第4章 さまざまなタイプの銀河の誕生 第5章 星が生まれる現場 第6章 ブラックホールのつくり方 第7章 太陽系の誕生 第8章 水惑星・地球へ 第9章 生命の起源 第10章 人類までの道のり 第11章 生命・物理現象と多様性 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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第一線の研究者11人によるオムニバス形式の教養書。11回の講義を受けている気分で読むと楽しい。ジュニア新書というには無理があるレベルですが、数式は無く読みやすいので、理系大学生であれば十分楽しめると思います。
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宇宙の始まりとか、ブラックホール、星の誕生、太陽系惑星、生命の起源、人類の始まり、等、非常に興味深いテーマが、並んでいる。 岩波ジュニア新書ってこんなレベル高いのか。 今冷静に見ると、章ごとに著者がバラバラなのか。 章ごとの流れが非常に自然なので、それは意外だ。
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3年ぐらい前に読んだ本です。当時はホントにいろんな意味で参考になりました。 ジュニア文庫で入門書的です。が、高校生向きぐらいの内容かと思います。
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