ドストエフスキー の商品レビュー
原著のロシア語の解釈…
原著のロシア語の解釈など、非常に興味深かった。罪と罰において、ラスコリニコフはキリスト、娼婦ソーニャはマグダラのマリアに、それぞれなぞらえてあるという話は面白かった。
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生との深い断絶感,そ…
生との深い断絶感,そして他者との共生がもたらす溢れるような生の歓び・・・。作家において根源的な事実であり続けた二つの感覚を際立たせることにより,私たちの現実とともにあるドストエフスキー像を鮮やかに描き出しています。
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ドストエフスキーの作品について、彼の生きた19世紀ロシアの状況にもとづく解釈を展開している本です。 「われわれは皆ゴーゴリの『外套』から出てきた」というのは、ドストエフスキーのよく知られていることばですが、著者はこのことばが「出てしまった」というニュアンスで理解することができる...
ドストエフスキーの作品について、彼の生きた19世紀ロシアの状況にもとづく解釈を展開している本です。 「われわれは皆ゴーゴリの『外套』から出てきた」というのは、ドストエフスキーのよく知られていることばですが、著者はこのことばが「出てしまった」というニュアンスで理解することができると指摘しています。そして、『貧しき人々』以来ゴーゴリを継承する作家として自他ともに認めてきたドストエフスキーが、パロディめいたユーモアをその作品のなかに用意していたことが明らかにされています。 日本の作家や小説家によって、深遠な哲学的思想を文学作品のなかで展開した文豪として理解されてきたドストエフスキーですが、その作品のうちに「笑い」の要素が含まれているということについては、中村健之介などの解説書でも指摘されていますが、本書の議論もそうしたテーマをとりあげたものといえるように思います。 また著者は、ロシアの神話や民俗にかんする背景的知識を解説しつつ、ドストエフスキーの作品がもつ重層性を明らかにしています。 ドストエフスキーの作品は、多様な読みかたのできる豊かさをもっていますが、本書で語られているようなことがらは一般の読書人にはわからないことも多く、興味深く読みました。
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[ 内容 ] 1881年にドストエフスキーが没してから百年が経過した。 この間、彼の作品は様々な事件や現象を驚くべき正確さで先取りしてきた。 その予言性はいかにして可能になったのか。 著者は彼の作品が持つ重層性、多義性を読み解き、十九世紀末のロシアの土壌から二十世紀の世界的現実を...
[ 内容 ] 1881年にドストエフスキーが没してから百年が経過した。 この間、彼の作品は様々な事件や現象を驚くべき正確さで先取りしてきた。 その予言性はいかにして可能になったのか。 著者は彼の作品が持つ重層性、多義性を読み解き、十九世紀末のロシアの土壌から二十世紀の世界的現実を見通した、ドストエフスキー文学の新しさを解き明かす。 [ 目次 ] 1 新しい小説世界(「新しいゴーゴリ」の登場?;「哀れな人びと」か「貧しき人びと」か;プーシキンの発見―メタ文学;題名ラプソディ;聖と俗の二層舞台;ゼロの語り手) 2 ロシアの土壌、ロシアの神々(「悪霊たち」のルーツ;「白痴=ユロージヴイ」の系譜;分離派セクトの人びと;巡礼歌の旋律;異界との触れ合い) 3 小説をまねる現実(予告された皇帝暗殺;恐怖としての民衆;ユートピアと逆ユートピア;世界を救うのは美?) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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