社会変革する地域市民 の商品レビュー

D.ヘントン(著者),J.メルビル(著者),K.ウォレシュ(著者),小門裕幸(訳者),榎並利博(訳者),今井路子(訳者)

2013/09/28

アメリカの様々な地域をステュアードシップを発揮した地域市民が衰退する地域を変えるために奮闘する物語を数多く描く。

個人とコミュニティの相克を解決する
ジョンガードナー　人間というものは社会的動物である。そして、それを可能にする社会システムについて語ることなしに、個人について議論することは全く無意味だ。

取り組むべき現実的な課題
コミュニティづくりという課題：妥協を強制することから、自由な選択へ
相反する利害の調整という課題：対立関係から補完関係へ
複雑な環境問題という課題：混乱から結束へ

共通の目的を作り出す
対話を通して共通の土俵を作る。それが行動に導く
新たなネットワークを通じて、複雑な利害をまとめ上げる。

人を動かすケースを作り上げる
相反ずる利害関係と課題解決環境の複雑さを考察するところから始めよう
変革への取り組みと可能性を見極める様々な方法論を活用し、自分たちの地域の状況を診断しよう
市民革命化の候補者データベースを構築し、梯役となるキーマンを見つけ出そう

社会実験で重大な選択を行う
意思決定のフレームワークを構築しよう
複雑な利害関係を共通目的に転換する単純規則と運用原則を定義しよう

変革に向けて仲間を結集する
新しいネットワークの媒体を構築しよう

共通の目的を設定する
個人の自由を犠牲にしてもそれ以上の社会的便益を享受できると信じ、人々は自発的に個人の自由を発揮しながらコミュニティを築いている。
対立する利害関係が、価値や役割を相互に補完しながら機能する関係を作り出している。
複雑な問題が管理可能な役割へと還元されており、個々の取り組みは単純で明快な原理に満ちBにかれて協働的な活動へと収斂されている

戦後の経済成長・一極集中の歩みは地域コミュニティ崩壊の歴史であった。都会では隣人や地域の事に関知しない人々が集まり、自治会や町内会なども加入者が減少して活動が停滞した。韓進・淡路大震災を契機として地域のつながりやボランティアの重要性が注目され、高齢者の生活を支える場として、子育ての場として、リタイア後の人生を過ごす場所として地域コミュニティの重要性が問い直されている。長引く不況は失業者の創価や犯罪の多発を招き、コミュニティビジネスや防犯対策など地域における新たな取り組みも始まっている。今、我が国は監視型ではない新しいきみゅにてぃづくりの時代を迎えている。

2009/10/04

都市における産業集積はなぜ起こるのかを社会変革とセットにして議論した本です。
具体的にシリコンバレーなどを例に市民による社会変革を通じた公共サービスの革新が産業立地に効果的に作用していることを示すものです。