あの旗を撃て! の商品レビュー
大塚英志「二階の住人とその時代」でチェックしておいた本、やっと読みました。NHKの朝ドラ「なつぞら」で東映動画の黎明期がモデルとなって、主人公のパートナーが、どうも高畑勲らしいぞ、と気づいたら、さらには「太陽の王子ホルス」らしき作品が登場しびっくり!同時に国立近代美術館で高畑勲展...
大塚英志「二階の住人とその時代」でチェックしておいた本、やっと読みました。NHKの朝ドラ「なつぞら」で東映動画の黎明期がモデルとなって、主人公のパートナーが、どうも高畑勲らしいぞ、と気づいたら、さらには「太陽の王子ホルス」らしき作品が登場しびっくり!同時に国立近代美術館で高畑勲展が開催されて、ここまでは誰かの何かの意志で日本のアニメに光を当てているのでしょうが、京都アニメーションの事件も勃発し、それについての世界の悲しみが取り上げられるにつけ、アニメが日本の文化として大きな塊として顕在化されているのを感じています。また、個人的には今年になって安彦良和「原点」「革命とサブカル」を読み、全共闘とアニメの関係に驚き、また昨年、読んだ氏家斉一郎「昭和という時代を生きて」で日本テレビの総帥の高畑勲に対する愛情を知り、また左高信「メディアの怪人 徳間康快」から徳間書店のパワーを浴び、本書を読むべきタイミングで読んだな、という感覚を持ちました。著者が創刊した「アニメージュ」はおたくの始まり、という意味だけでなく日本の社会を変え、第三次産業を変え、だからこそ、今、歴史をして総括される時代になったのだと思います。そうそう、2020におけるジャパン・プレゼンテーションという意味も込められているのかもしれません。ただ、2004年に書かれたこの本は結果的に「ヤマト」「ガンダム」「ジブリ」と畳み掛けた日本アニメ三段変速を主導した幸せなサラリーマンの半径5メートル以内の記憶なのですが、すごい大きな物語の一部なのだと、今だから、思います。
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『アニメージュ』創刊編集長の回想録。普通は機密であろう発行部数や返本率などの数字が結構出てくる。厳しい金銭感覚がうかがえる。
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