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飛鳥の朝廷 の商品レビュー

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2023/12/17

現在(2023年)の天皇は126代ということになっているけれど、欠史八代を含め初期の天皇の実在性は甚だ怪しいということになっているみたい。 でも本書は、『倭の五王』と宋書に記載されたうちの『武王』であることがまず間違いなく、実在性がほぼ確実視されている21代雄略天皇から、天智天...

現在(2023年)の天皇は126代ということになっているけれど、欠史八代を含め初期の天皇の実在性は甚だ怪しいということになっているみたい。 でも本書は、『倭の五王』と宋書に記載されたうちの『武王』であることがまず間違いなく、実在性がほぼ確実視されている21代雄略天皇から、天智天皇の崩御直後に起きた壬申の乱までの約が描かれている。 学校で習った日本史では「古墳時代〜大和王朝時代」であっさり片付けられてしまったような気がするのだけど、実は戦国時代並みにドラマチックで面白い。 ぢつは血統がどうも怪しげな継体天皇が現れたり、今の斑鳩地域にどどんとあったらしい中国系コミュニティ、思ったよりずっと活発だった朝鮮半島との往来、過剰評価されてるらしい聖徳太子、そしてクライマックスの乙巳の変(こんな言葉習わなかった〜年バレ) 史料が少ないから難しいのかもだけど、大河ドラマで是非見てみたいものです。

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2022/06/16

井上光貞 「 飛鳥の朝廷 」 日本書紀の中から史実を抽出して、日本という国家の成立プロセスを編年体でまとめた本。 近江朝廷において成立した律令国家体制について、雄略天皇期から遡って検証している。後継者争い、政治クーデターのほか、複雑でわかりにくい百済との関係史や 任那の滅亡と...

井上光貞 「 飛鳥の朝廷 」 日本書紀の中から史実を抽出して、日本という国家の成立プロセスを編年体でまとめた本。 近江朝廷において成立した律令国家体制について、雄略天皇期から遡って検証している。後継者争い、政治クーデターのほか、複雑でわかりにくい百済との関係史や 任那の滅亡と復活野心、地味で興味の薄い 地方統治史なども丁寧に説明している 隋唐の冊封体制に入らず、属国化しなかったことは誇らしく思う 雄略天皇期からの律令国家成立の流れ *氏姓制度のはじまり *百済外交〜四県割譲と五経博士 *飛鳥仏教の成立 *聖徳太子〜冠位、十七条憲法 *日出る国の天子 *大化改新〜中臣鎌足 屯倉(みやけ) *天皇家や大和朝廷の直轄地 *前期屯倉は、畿内に設置した朝廷や天皇家の財産 *後期屯倉は、全国の国造から接収したもの

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2019/04/02

解説:大津透 古代国家の成立◆雄略天皇とその時代◆六世紀の開幕◆舒明朝と国際関係◆国造と屯倉◆飛鳥仏教の成立◆日出ずる国の天子◆改新の前夜◆大化の政治改革◆百済の役◆近江朝廷と律令◆壬申の乱◆辛亥はやはり四七一年

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2013/04/26

雄略以降、天武天皇誕生までの古代史。内容は、中国大陸・朝鮮半島との外交史と国内の律令制度確立といった点に焦点を当てている。地方豪族・国造が天皇の配下に置かれ国史という形で官僚制度が整えられていく様が興味深い。 飛鳥時代前後は、中国大陸からの先進文明の取り入れに邁進した時代であった...

雄略以降、天武天皇誕生までの古代史。内容は、中国大陸・朝鮮半島との外交史と国内の律令制度確立といった点に焦点を当てている。地方豪族・国造が天皇の配下に置かれ国史という形で官僚制度が整えられていく様が興味深い。 飛鳥時代前後は、中国大陸からの先進文明の取り入れに邁進した時代であったと言える。また唐・新羅と戦争までして百済を復興させようとしたという点からも、半島へのこだわりがかなり強かったと言える。日本へ帰化した半島人もかなり多いことが確認できる。

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2013/02/26

題名は飛鳥の朝廷となっていますが、それ(6世紀末~8世紀)より以前の5世紀、雄略朝から話が始められています。朝鮮諸国、中国との関わりに多くのページが割かれているので、ある程度の東アジア史を見通せます。ただ、朝鮮側の記述が三国史記と三国遺事を史料としているあたりはこれらが現存する最...

題名は飛鳥の朝廷となっていますが、それ(6世紀末~8世紀)より以前の5世紀、雄略朝から話が始められています。朝鮮諸国、中国との関わりに多くのページが割かれているので、ある程度の東アジア史を見通せます。ただ、朝鮮側の記述が三国史記と三国遺事を史料としているあたりはこれらが現存する最古とはいえ、12世紀以降に書かれたものだという点を読むときは念頭に置いておくのが良さそうですが、著者による微に入り細を穿つ分析には圧倒される事しばしば。大化以降の詔や制度を検証・考察する段などはもはや感動的ですらありました。 近江大津宮の比定地がちょっと違っていたりなどがありますが、書かれたのが1974年と古いのでそれは仕方のない事でしょう。が、何よりも稲荷山古墳鉄剣の発見(1978年)より前というのが少し残念。最後に補章として数ページ鉄剣銘文について触れられていますが、もう少し詳しい著者の考察をじっくりと読みたかった気持ちが残ります。

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