楚辞 の商品レビュー
同書院の『文章規範』の体裁が、解説(背景)を含めてたいへんに懇切丁寧だったので、同じ期待を抱いて読んでみたが、こちらは語釈もほとんどなく、「背景」の解説もどうでもいいような韻や形式のことに触れていて、肝心の中身の解説になっていない。 「解釈」も、日本語として不自然なところもや、訳...
同書院の『文章規範』の体裁が、解説(背景)を含めてたいへんに懇切丁寧だったので、同じ期待を抱いて読んでみたが、こちらは語釈もほとんどなく、「背景」の解説もどうでもいいような韻や形式のことに触れていて、肝心の中身の解説になっていない。 「解釈」も、日本語として不自然なところもや、訳した本人がよくわかっていないのではと思えるところが散見せられた。 新書漢文大系のシリーズには好印象を持っていただけに残念である。
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情緒豊かに神話や自然を吟いながらも、君主への怒り、悲しみ、己の不甲斐なさ、諦め、世間に対する不満、それでも希望を見いだしたい想いなどが込められた独特の雰囲気がある。そして、心境が変化しても君主に対する想いは変わらないひたむき、讒言を恐れず不興を買っても諫言を止めず、放逐されても...
情緒豊かに神話や自然を吟いながらも、君主への怒り、悲しみ、己の不甲斐なさ、諦め、世間に対する不満、それでも希望を見いだしたい想いなどが込められた独特の雰囲気がある。そして、心境が変化しても君主に対する想いは変わらないひたむき、讒言を恐れず不興を買っても諫言を止めず、放逐されてもなお諫言を止めない崇高さ、世俗に染まることを良しとしないが、むしろ世俗に染まることのできない不器用さといった屈原そのものを感じさせる。だからこそ心打つのもがあり、楚辞という形で後世に遺るとことなったのだろう。
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