食品安全性の経済評価 の商品レビュー

沢田学(著者)

2011/12/05

食品安全性の経済評価について、表明選好法でアプローチした多様な研究成果が取りまとめられた書である。選択型コンジョイント分析や、競り実験を用いた支払意志額の推計など、幅広く触れられており、表明選好法によってどのようなことが明らかにされるか、また、明らかにできるか、という点に焦点が当てられている。

全体は8章で構成されており、HACCP、地産地消、トレーサビリティ、BSE、食品表示、遺伝子組換え、サルモネラ・フリー鶏卵などが事例として取り上げられている。

本書を読めば、直ちに同じ手法で研究ができる、というようなものではないが、表明選好法による分析を考えている人にとってはよき先行事例となるだろう。ただし、若干似たような内容が続くため、しっかりと睡眠を取った後に読むことをお勧めする。