セックスボランティア の商品レビュー
丁寧に書かれています
とかくタブー視されることが多い、障害者が抱える問題を真摯に取り上げ、「くさいものにはフタ」という風潮を変えた本。これを、一過性の話題で終わらせてはならない。問題の本質について、改めて考えたくなる一冊。
yoko
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残念ながら日本ではまだまだ障害者に対する認識や共存に対して知識や社会環境は遅れているのだろう。 そんな中で多くの日本人が表立って語る事のないテーマの一つが「性」。 健常者は当たり前に恋をし、セックスもし、結婚もし、子供ももうける。 同じ人なのに、じゃあ障害者は? 確かにそうだ。 恥ずかしながら自分自身が現在五体満足に生活をしている中で、向き合ってこなかったテーマ。 しかし、考えればすぐにわかる。 人として、障害者にも健常者と同じ欲はある。 どうすれば解決するのか? 私には答えられないが、健常者であるが故に目を背けてはいけない問題なのだと思う。 全ての人にとって平等に人として生きる為の権利をいかにして確立していくか。 非常に大きなテーマであるが、著者と同じ年に生まれた一人として、同い年の女性がこのテーマに真正面から対峙した事に尊敬の念と拍手を贈りたい。 説明 内容紹介 障害者だってやっぱり、恋愛したい。性欲もある。 ──その思いを満たすための「性の介助」の現実とは? 彼らの愛と性に迫るノンフィクションの意欲作。 内容(「BOOK」データベースより) 障害者だってやっぱり、恋愛したい。性欲もある。その思いを満たすための「性の介助」の現実とは?彼らの愛と性に迫るノンフィクションの意欲作。 内容(「MARC」データベースより) 障害者だってやっぱり、恋愛したい。性欲もある。その思いを満たすための「性の介助」の現実とは? 彼らの愛と性に迫るノンフィクションの意欲作。『週刊朝日』連載「週刊ノンフィクション劇場」をベースに追加取材、加筆。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 河合/香織 1974年岐阜県生まれ。フリーランスのライター。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒業。セクシュアリティや児童問題などのノンフィクションを執筆。『セックスボランティア』がはじめての単行本(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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★森に分け入れない★丁寧に取材をしているし、取材をするにつれて本人に問いかけが跳ね返ってくるのは誠実だと思う。ただ、こういう悩みを抱えて苦労している人はいるだろうし対応も整っていないだろうとは、出版から15年たつと感じてしまう。それだけ本書が問題啓発の嚆矢になったということかもし...
★森に分け入れない★丁寧に取材をしているし、取材をするにつれて本人に問いかけが跳ね返ってくるのは誠実だと思う。ただ、こういう悩みを抱えて苦労している人はいるだろうし対応も整っていないだろうとは、出版から15年たつと感じてしまう。それだけ本書が問題啓発の嚆矢になったということかもしれないが。性に対する一人一人の背景や思いが千差万別すぎて、なかなか一般論になりにくい。題材の衝撃度が先行し、どこか表面をなぞった感じになってしまう。
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2004年刊行。自然な意味で性欲を持つ障害者。人間として、その点は健常者と異なるところはない。しかし、綺麗に言えば、愛情を育みながら、その相手との仲で性欲を満たすという道を閉ざされている。この見たくない現実を本書が活写するが、その提起する問題は決して軽いものではないはず。
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障害者の方が求めても手に入れられない性について、ボランティアを含めて提供している現状のルポルタージュ。身体障害や脳障害をお持ちの方々が登場する。健常者と同様の性欲を持つのは当たり前のようにも感じた。意識は健常者と変わらない中で、性に対するハンディキャップをどのように埋めていくのか?大きな課題に感じた。
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ボランティアの本質といいますか、ボランティアの限界を垣間見た感じがしました。セックスボランティア・・・、男性障害者への女性、あるいは男性ボランティア、女性障害者への男性ボランティア。。。無償の愛なきボランティアとはいかなるものか、また、お金の世界に愛は介在するのか。。。人間とは、...
ボランティアの本質といいますか、ボランティアの限界を垣間見た感じがしました。セックスボランティア・・・、男性障害者への女性、あるいは男性ボランティア、女性障害者への男性ボランティア。。。無償の愛なきボランティアとはいかなるものか、また、お金の世界に愛は介在するのか。。。人間とは、健常者、障害者にかかわらず、いつの世も、いくつになっても、悩みかつ夢を見るものなんですね。坂口安吾の「堕落論」、太宰治の「人間失格」再読の時期でしょうか・・・。ノンフィクションライター、河合香織さんの作品です。
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難しい問題は置いておいて、 私はこの著者が好きだなと思います。 性がどうして必要なのか なにが正しい性の在り方か なんて、誰が答えられるのか… 性について悩んでいる問題は誰にでもあって、 問題の内容は人によって違うから、 理解しあえたらいいなと思いました。 自分勝手だ...
難しい問題は置いておいて、 私はこの著者が好きだなと思います。 性がどうして必要なのか なにが正しい性の在り方か なんて、誰が答えられるのか… 性について悩んでいる問題は誰にでもあって、 問題の内容は人によって違うから、 理解しあえたらいいなと思いました。 自分勝手だけど、 私も大好きな人と幸せなセックスがしたいです。
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障碍者の性、という扱いにくいタブーについてのノンフィクション。とにかく考えさせられた。 クオリティオブライフに、食事や排泄はあるが、性はないのではないか。頼みたくても頼めない。 性は生きる根本、という。
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初版は2004年。その当時に、このような問題を世に問うって凄いと思う。わたしは当時中学生かそこらで、社会問題にあまり関心がなかったから、その頃世の中がどうだったかってわからないんだけど。 生活保護や、障害者雇用の問題について考える上で参考になるかと手にとった本で、思いのほかいろ...
初版は2004年。その当時に、このような問題を世に問うって凄いと思う。わたしは当時中学生かそこらで、社会問題にあまり関心がなかったから、その頃世の中がどうだったかってわからないんだけど。 生活保護や、障害者雇用の問題について考える上で参考になるかと手にとった本で、思いのほかいろいろなことを考えるさせられ、まだどう消化すればよいかわからない。 関係者の人の語りや描写が中心で、筆者のこの問題に対するあるべき論の議論がある訳ではなく、筆者自身もこの問題に対してどう考えていけばよいのか、自身や読者に問うているというか。
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衝撃的な題材だったので読んでみた。(大学の図書館) 障碍者の性についての話。誰にだって性欲はある。しかし、障害を持っているとなかなかその発散がしにくい。そのたまに今は障碍者専用のデリヘルやソープが存在するらしい。 私も先日、出会い系に登録してたら障碍者の方からメールが来た。「挿入はなしでいいから、触らせてください。私は車いす生活です。」という感じのメールだった。少しびっくりした。結局、家から遠いところの人だったからメールは無視してしまった。この本を読んでいたら自分の行動も少し違っていたかもしれない。。。まあ、売春はいけないことだけどね。 性欲って誰にでもあるし、だれかと肌と肌を重ねたいというのは、ご飯を食べたり息するのと同じ生理現象だと思う。だから私は援助交際自体を悪だとは思わない。彼氏が風俗言っても嫉妬はしないだろうな。(援助交際はやっぱりいやだけどwww) 障碍者専用のデリヘルも、障碍者を食い物にしているという批判はあるけれども、必要としている人がいるならは必要悪なのではないか。お金を払い満足しているならそれでいいと思う。また、無償で行為を行う団体もあるそうだがそれはちょっと違うんじゃないか。そこは健常者と同じ対応で良くないか? うーん。考えがまとまらない。もっと考えてみよう。
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