動物 の商品レビュー
珍しく「動物」をテー…
珍しく「動物」をテーマにした時代短編アンソロジーです。
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村上元三「戦国狸」を含む動物歴史短編小説集。 「戦国狸」は、全国制覇を目指す織田信長が阿波の三好将監を押し立て、四国制覇を行おうとした時、刑部狸率いる四国の狸たちが自身らを保護する伊予国の石川通清を扶け、これを防ごうとする。登場する戦国武将はほぼ実在のものなのに、狸らは彼の地の伝承によらず、刑部狸以外はほぼ作者の創作による。そのため、歴史好きにとっては面白いものとなっっているかもしれないが、たぬき好きにとっては、今ひとつ物足りない感じ。
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時代物のアンソロジーを多く編む縄田一男のなかでも、異色の一遍ではないでしょうか。 時代物のと言えば、捕物帳や人情もの、股旅物などが多いですが、こちらは「動物」がテーマだけあって一言で分野をくくれないものばかり。こんな小説があるのか!と新鮮に感じます。 時代物はすべて同じに思えてしまう時、時代物は好きだけど少し飽きたという時にピッタリでした。 挿入作の作者は以下の通り。 杉本苑子/柴田錬三郎/岡本綺堂/角田喜久雄/伊藤桂一/野村胡堂/綱淵謙錠/陳舜臣/新田次郎/山本周五郎/村上元三/澤田ふじ子 どれも面白い味わいのある作品ばかりでしたが、敢えて好きな作品を上げるとしたら伊藤桂一「犬曳き侍」でしょうか。読んでほっとする今時珍しいお話でした。
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