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徳川将軍と天皇 の商品レビュー

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2013/08/21
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家康から綱吉までの5代将軍の就任を巡る天皇・朝廷との力関係から来る儀礼の相違などを分析し、「将軍」という地位が絶対ではなく、家康という権力者を利用とした朝廷側の思惑、「将軍」になる前から、生まれつきの「上様」が約束されていた家綱、資質に疑問を持たれ、就任に反対勢力があったという綱吉など興味深い事実です。関が原から将軍就任まで何故3年を要したのかとか、その家康が僅か2年で将軍を秀忠に譲った真意などが、教科書で学べない歴史の裏にある心の彩を描いているように思います。後半は一転して御三家と秀康に始まる越前松平家の歴史など。これも御三家という制度が初めからあったわけではなく、秀忠にとって義直、頼宣、頼房という3人の幼い弟以外にも兄・秀康、忠吉、直吉、忠輝などの弟がいたなかで、結果として御三家制度になっていった様子が分りやすく記されています。これも朝廷との関係においては「正三位」などという律令制度上の役職ランクとの関係での分析が新鮮です。

Posted byブクログ