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隻眼の狼王 の商品レビュー

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2009/10/04

柳生十兵衛が魔人と手を組み三匹の魔物を従えて江戸の世に戦乱を巻き起こそうするとわけで、おお!これは山田風太郎「魔界転生」の逆バージョンだな。 じゃ十兵衛と対決する者は?というわけで本書のヒーロー、無斬祭之介が登場。 かなり好みの話で剣戟はふんだんにあるし 女忍者との恋も...

柳生十兵衛が魔人と手を組み三匹の魔物を従えて江戸の世に戦乱を巻き起こそうするとわけで、おお!これは山田風太郎「魔界転生」の逆バージョンだな。 じゃ十兵衛と対決する者は?というわけで本書のヒーロー、無斬祭之介が登場。 かなり好みの話で剣戟はふんだんにあるし 女忍者との恋もあり派手で大袈裟な語り口も内容にはまってるのだが 面白さがそこそこ止まり。お話が膨れ上がっていく伝奇を読む喜びがない。 いや、壮大な設定は背景にあるのだが興奮がない。 例えば三匹の魔物はそれぞれ蜘蛛、コウモリ、トカゲの化身なのだが あまりに攻撃が予想通りな上ありきたりの方法で倒されてしまう。 もう一つは人物が最初から悪は悪、正義は正義のままで型にはまり 成長や変化もしないので盛上がってこないところがある。 十兵衛の残忍無比な悪役っぷりはいいのにねえ。 伝奇小説にはチャンバラやおどろしい雰囲気をもちろん期待してるけど 何よりも大胆な奇想や奔放な人物に驚かされたいと思っている。 山田風太郎と比べるのはちょっと酷かもしれないけど 「魔界転生」などの忍法帖シリーズはそんな驚きに満ち満ちていたもんね。 伝奇小説に限らず赤城毅作品、秘境冒険ものだったり レトロな探偵浪漫といったツボをくすぐるジャンルを書いてくるから けっこう読んでるんだけどお約束の面白さはあっても それ以上のものがないため印象が弱く内容を思い出せない。

Posted byブクログ