二人で泥棒を の商品レビュー
シャーロック・ホームズのピカレスク版を思わせる作品。イギリスで怪盗紳士と言えばラッフルズを知らない人はいないほどだというので手に取った。 ラッフルズはかなり食えない人物造形だ。 犯行に関する詳しい内容を相棒であるバニーに知らせない上で勝手に期待したり失望したりして見せる(しかも...
シャーロック・ホームズのピカレスク版を思わせる作品。イギリスで怪盗紳士と言えばラッフルズを知らない人はいないほどだというので手に取った。 ラッフルズはかなり食えない人物造形だ。 犯行に関する詳しい内容を相棒であるバニーに知らせない上で勝手に期待したり失望したりして見せる(しかもそれが本心か不明)。犯罪計画は基本的に彼の持ち込み案件だ。 対するバニーはそれに翻弄されつつもラッフルズの盗みに加担することで非日常的快楽や金銭的メリットを得る。ラッフルズの態度に思うところはありつつも結局は手を貸してしまうお人好しであり、子悪人だ。 はっきり言って人間ドラマ模様は読んでいてどうもすっきりしない気持ちになる。というのも本作品、バディものだと思うのだが二人の間の信頼関係が疑わしいからだ。毎度ラッフルズがバニーを都合よく利用しているとしか思えない。 二人の関係やラッフルズの振る舞いなどはシャーロック・ホームズと重なるところがある。それにもかかわらず、なぜこうも違う印象になるのだろうか。 ラッフルズの人間的魅力の描き方が浅いのかもしれない。あるいは、二人がお互いをパートナーとして共謀する理由が、友情からというよりもそれぞれのメリットや快楽の追求にあるからなのかもしれない。 当然だがラッフルズとバニーが手を組んでやっていることは褒められた内容ではない。そもそも一般的な倫理観を持つ読者に向けて犯罪小説を魅せるのは難しいことなのかもしれない。この点については自分がこれまで多くの犯罪小説を読んできたわけではないので、いつか再考したい内容である。
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A・J・ラッフルズ・シリーズ 『三月十五日』 カードで借金を作ったバニーが助けを求めた相手は友人ラッフルズ。借金返済のため宝石泥棒へ。 『衣装のおかげ』 盗みに入った先で失敗。とらわれたバニー。 『ジェントルメン対プレイヤーズ』 招かれた侯爵家で盗みを働くラッフルズ&バ...
A・J・ラッフルズ・シリーズ 『三月十五日』 カードで借金を作ったバニーが助けを求めた相手は友人ラッフルズ。借金返済のため宝石泥棒へ。 『衣装のおかげ』 盗みに入った先で失敗。とらわれたバニー。 『ジェントルメン対プレイヤーズ』 招かれた侯爵家で盗みを働くラッフルズ&バニー 『ラッフルズ最初の事件』 泥棒になる前のラッフルズ最初の事件。親戚が支店長に就任する銀行に金を借りに行ったラッフルズ。支店長と勘違いされ・・。 『意図的な殺人』 殺人を犯すことを決意したラッフルズ。 『合法と非合法の境目』 富豪の息子が勝手に売り払った名画を取り戻すためのバニーの努力。名画すりかえ作戦。 『リターン・マッチ』 脱獄したクローシェイじいさんをかくまうラッフルズ。 『皇帝の贈り物』 皇帝の贈り物をめぐる船上の作戦。マッケンジー警部との対決。ラッフルズの最期。 2009年11月25日再読
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ルパンに先駆けて書かれた怪盗紳士もの。 貴族だけれどお金がない、借金で首が回らなくなったバニーが親友(?)のラッフルズを頼ったところ、なぜか泥棒業に巻き込まれてしまう、というもの。 貴族で紳士なんだけど、善悪の基準が吹っ飛んでいて、自分が楽しめるかどうかということに重きを置い...
ルパンに先駆けて書かれた怪盗紳士もの。 貴族だけれどお金がない、借金で首が回らなくなったバニーが親友(?)のラッフルズを頼ったところ、なぜか泥棒業に巻き込まれてしまう、というもの。 貴族で紳士なんだけど、善悪の基準が吹っ飛んでいて、自分が楽しめるかどうかということに重きを置いている彼に、バニー共々振り回されてしまいます。 彼にとってはすべてがゲームなんだろうなぁ。 ラストシーンに至っては呆然でした。 これで終わり…?!としばらく隠しページを探したのも仕方ないと思うんですが。 ラッフルズ、あんた鬼だよ…。
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序文の時点で読むのをやめようかと。ボーイズラブ云々のくだりには、浅ましいと応えておこう。そんな惹句は、この本を売ろうとする側が口にした時点で安っぽいセールスポイントに成り下がるだけだ、と思うのよ。他に「売り」がなかったんだなーと読み終えた現在思ってるのは、半分はあの序文のせいだわ...
序文の時点で読むのをやめようかと。ボーイズラブ云々のくだりには、浅ましいと応えておこう。そんな惹句は、この本を売ろうとする側が口にした時点で安っぽいセールスポイントに成り下がるだけだ、と思うのよ。他に「売り」がなかったんだなーと読み終えた現在思ってるのは、半分はあの序文のせいだわな。
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