ことばは届くか の商品レビュー
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理論背景が明確で骨のある、でもやさしもある、怒りがある、悲しさがある、いらだちもある、血の通った二人のフェミニストの往復書簡。論客はこんな会話をするのだと、尊敬を念を抱いた。 ーーーーー P14 上野 生存戦略-バイリンガルになりなさい。男言葉と女言葉、外国語と日本語、学問の言葉と現実の言葉、、、 これまでだれも知らなかった現実を創り出していく。 〇読みたい本「韓国社会とジェンダー」 〇韓国:戦後、強い国家の創造に没頭した 〇狂気の歴史:フーコー 〇イェルサレムのアイヒマン:ハンナ・アーレント ・自律的思考能力の欠如 ・権力への従順 →陳腐さ・凡庸さ 〇上野 家父長制の分断支配-妻・母VS娼婦 私を娼婦扱いしないで、と言っているうちは、娼婦・慰安婦を問題化できない(娼婦と対比的に、妻・母である自分を正当化できる) 〇P87上野 国家より私が大事、これがフェミニズムの基本。 〇もっとふしだらに、もっとわがままに、もっと自己中心的になればよい、(なぜなら)女の自己犠牲でささえられてきた子育てや家庭や老人介護が、女が男並みに自己中心的になることによって、社会課題として浮き彫りになることを期待。 〇Who cares? 子どもを産まないからと言って、だからなに? 〇P133 憲法前文のコンテスト「全くタイシタコトノナイ、世界的にソコソコの国がいい」-人口半減でよいのでは? 〇P140 へジュン:女の独り立ち、男とのゲーム、あでやかさと豊かさよりも、疲弊と寂しさとを量産している 〇P202 正当化できない戦争に参与した、だからこそよけいに無気力にならざるを得ない兵士たち-
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とても興味深く読んだ。 往復書簡という形が面白いのは、時間がリアルに過ぎて行く中で書かれるコトだ。 環境の変化は思考に影響を及ぼすものだ。 また相手の返信に依ってももちろん、影響はある。 そのまた返信に書く内容…すなわちどこに食いついたか、に注目しても面白い。
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延世大学教授のヘジョン先生と、上野千鶴子の往復書簡。韓国の現代社会の様子、特に若者を取り巻く状況が分かる。教育を取り巻く環境、生き残るための戦略…。二人の社会学者の「生き様」が垣間見えます。オススメの一冊。
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