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スタート!「産学連携」 の商品レビュー

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2011/02/08

 小説形式で、産学連携の雰囲気をつかめる本。ストーリーの登場人物が、企業と大学との共同研究をどのように進めるべきかを考え、議論していく。非常に読みやすい。これは、本書が「産学連携への招待」を目指したものであるからだろう。  産学連携による研究開発は、企業自身が挙げる課題のひとつに...

 小説形式で、産学連携の雰囲気をつかめる本。ストーリーの登場人物が、企業と大学との共同研究をどのように進めるべきかを考え、議論していく。非常に読みやすい。これは、本書が「産学連携への招待」を目指したものであるからだろう。  産学連携による研究開発は、企業自身が挙げる課題のひとつになってきているが、「産学連携のやり方がわからない」という担当者もいるかもしれない。あるいは、産学連携に携わってみたい(産学連携コーディネーターになりたい)と考えている人たちにとっては、企業と大学とが、どうやって同じ目標を共有し、力を合わせていくかに関心があるかもしれない。企業は通常、営利を目的とし、大学は研究・教育を目的とするため、すりあわせが重要になっていくからだ。これを本書は具体的なストーリーで教えてくれる。  大学は様々な形態の連携体制を用意しており、企業の目的に応じて、技術指導程度にとどめるか、受託研究にするか、共同研究にするか、包括的提携にするかを選んでいく必要がある。通常の実務書や、大学が用意している資料を参照すれば、このような連携体制については十分に理解できるはずである。  では、本書では何が強調されているのだろうか。  それは、このようなスキームとともに、ある意味で最も大切なこと、すなわち研究者と企業人との間を仲介するコーディネーターの、コミュニケーション能力と問題発見能力の重要さである。一度は最悪な関係になった企業人と大学の研究者との気まずい空気を、何が原因だったかをどのように突き止めたのか。どうやって再び同じ目標に向かっていくことができたのか。企業と大学との合意形成のステップを、本書のストーリーとともに楽しんで読んでみてほしい。  最後に、本書の導入部を引用してみよう。もし興味を持ったのなら、それは「今」本書を必要としている証かもしれない。本書を楽しむことができるのは間違いないと思う。 ----------------------------------------  ICデバイスメーカーS社に勤める木村は、ある日上司から新製品開発のために産学連携プロジェクトを立ち上げるように命じられる。S社にとって最大のライバルであるI社が某大学との共同研究により画期的な新商品を開発したという噂が聞こえてきたためだ。  大学との連携による共同研究などまったく経験のなかった木村は、何から手をつけていいものか見当もつかない。木村は悩むが、ともかく何かから始めなければならない。その一方でI社が今後も新製品を次々と発表していくことになれば、S社の競争力、マーケットシェアは低迷し、その存亡さえもが危ぶまれる。  木村は行動を開始した。さまざまな人の助言を受けながら、木村は次第に産学連携プロジェクトの運営に使命感を持っていく……。

Posted byブクログ

2009/10/07

産学連携の進め方を小説形式で紹介。産学連携って何ということを基礎から学びたい方にはお勧め。読み物としても、プロジェクトX風なところがあり、面白いですよ。日本の産学連携がまだ発展段階にあること、大学と企業が目的を共有し合意形成をしっかり行うこと大切であることが実感できました。

Posted byブクログ