秋の花火 の商品レビュー
読んだっけ? 読んだかな? とよくわからず図書館で借りてくる。 読み始めたら、「あぁ、知ってるよ。以前に読んでいる!」。 「観覧車」が好きだな。ちょっと見栄を張ってみたり、かと思えば力を抜いてみたり。こんなもんだろうなぁ
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音楽に関心画深い篠田さんらしく、ソリストや秋の花火は音楽家の日常を篠田タッチで繊細に表現されていた。深い味わいの短編集だった。
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短編小説集 弦楽六重奏の練習中。チェロとセカンドヴァイオリンの男女の秘めた想いが、調べに乗って溢れ出てしまう…。 人生の盛夏を過ぎた頃の切ない恋情を、死を目前に才能と業を背負い続ける老音楽家の姿と絡めた「秋の花火」。 芸術のため魔と共に棲み続ける美しきピアニストを描く「ソリスト...
短編小説集 弦楽六重奏の練習中。チェロとセカンドヴァイオリンの男女の秘めた想いが、調べに乗って溢れ出てしまう…。 人生の盛夏を過ぎた頃の切ない恋情を、死を目前に才能と業を背負い続ける老音楽家の姿と絡めた「秋の花火」。 芸術のため魔と共に棲み続ける美しきピアニストを描く「ソリスト」、 「戦争の鴨たち」では戦争ジャーナリズムの裏側を、「観覧車」「灯油の尽きるとき」は閉塞した日常に訪れる転機を描く。 演奏者の全てが曝け出される音楽の美しさ、怖さ。生と死をみつめる眼。―著者ならではの世界、待望の作品集。 (by Amazon) 高校時代になんとなぁく読んでいた篠田さん。 やっぱり年を重ねてから読むと感想が変わるもんですなぁ。 距離感が明らかに縮まっている気がして。 音楽に造詣が深い篠田さんならではの音楽界のことが描かれている短編が多かったです。 言葉の選び方が丁寧で読みやすいのが彼女の小説の最大の特徴かと。 これがあるから主題がなんであれ安心して読める気がしてなりません。 「ん?なにがどうなってるの?」ということがまずないかと。 結末がキチンと落ちてくるあたりもあたし好み。装丁も文章に合っていていいかんじ。
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図書館で見かけ、装丁に惹かれて借りました。 「灯油の尽きるまで」が後味が悪いというか、考えさせられます。 結局、重たい悩みって相談されても他人事だからそこまで抱え込みたくないと思うのが普通なんだろうな。 誰かに愚痴を聞いてもらいたいだけでも、同じ人にずっと聞いてもらうと負担になる...
図書館で見かけ、装丁に惹かれて借りました。 「灯油の尽きるまで」が後味が悪いというか、考えさせられます。 結局、重たい悩みって相談されても他人事だからそこまで抱え込みたくないと思うのが普通なんだろうな。 誰かに愚痴を聞いてもらいたいだけでも、同じ人にずっと聞いてもらうと負担になるし嫌になってくる。 かかわり合いたくないから自分でどうにかしてくれ、というのが正直な気持ち。 みんな、自分のことで精いっぱい。それでも寄りそうにして結婚を決めたのに、待っていたのがこれ。 女ってそれだけで損。 表題作の「秋の花火」はなんだか印象深いです。 このあとふたりは最後の花火の場面みたいに、お互いになにも決定的なことは言わないけれど 寄りそうんだろうな。 「ふたりで道行き」と表現された演奏も心に残ります。 あ、でもこれから主人公は心を開いていくのだから、ふたりの関係は変わっていくのかな? お互いに結婚したけど、こういう関係もありかなと思います。
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表題作『秋の花火』がよかった。作家自身も楽器演奏が趣味だと何かで読んだ記憶がある。他に『ソリスト』も音楽ネタ。レベルの高い楽団の指揮をする高名な指揮者の晩年に絡めた楽団員との交流。井筒の紡ぎ出す音に惹かれながらもそのことを言い出すこともなく過ぎていった日々。先生の介護で接近しなが...
表題作『秋の花火』がよかった。作家自身も楽器演奏が趣味だと何かで読んだ記憶がある。他に『ソリスト』も音楽ネタ。レベルの高い楽団の指揮をする高名な指揮者の晩年に絡めた楽団員との交流。井筒の紡ぎ出す音に惹かれながらもそのことを言い出すこともなく過ぎていった日々。先生の介護で接近しながらもそのまま何事もなく終わる2人。それでも絆は強まって……。 他の短編も今の生活、このままの自分で終わってしまっていいのかと問いかける内容のものが多かった。 作成日時 2007年08月07日 04:48
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短編集。現代の問題を一角だけ切り抜いて反映させた物語の数々。「観覧車」ではモテない男女=コミュニケーション下手な若者たち? 「灯油の尽きるとき」では介護問題、「戦争の鴨たち」では戦争・ジャーナリズム問題など。どれもとても丁寧に書かれた短編。終わり方も見事。テーマといった大それたも...
短編集。現代の問題を一角だけ切り抜いて反映させた物語の数々。「観覧車」ではモテない男女=コミュニケーション下手な若者たち? 「灯油の尽きるとき」では介護問題、「戦争の鴨たち」では戦争・ジャーナリズム問題など。どれもとても丁寧に書かれた短編。終わり方も見事。テーマといった大それたものを前面に出すでもなく、あらゆる重い問題を含む作りであって、分かり易く飲み込める妙。「秋の花火」は行間から感じられるほのかな思いの織り交ぜ方に、切なさが重なる。実にいい作品。
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