オウバアキル の商品レビュー
幻覚が見えてきそうな切迫感。あとほんのすこしのやさしさか。 >急がなければあなたに、 >間に合わないかもしれない 「回想電車」がすきでした。なんだかでもばらばらとした印象のなかにほどけていってしまい、「これだ」と思えるような詩はないような気がします。全体として読んだときに、最...
幻覚が見えてきそうな切迫感。あとほんのすこしのやさしさか。 >急がなければあなたに、 >間に合わないかもしれない 「回想電車」がすきでした。なんだかでもばらばらとした印象のなかにほどけていってしまい、「これだ」と思えるような詩はないような気がします。全体として読んだときに、最後にくる「わたしたちは幸福なのかもしれない」という言葉の乾いた感触はかなり効いてくるのですが。自傷行為やいじめの光景がくらく、本全体をのたうっていて、なにか事件を目撃したときのようなじっとりとした手応え。それをあまり感動とは呼びたくないのですが。
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何故線を引くのか。 何故壁をつくるのか。 この詩人が対峙する関係にはいつも区切りが入る。 大きな壁を隔てた私とあなた。 「にんげんがすきなのだよ」と詩人は言う。 「にんげんがすきだから」とも詩人は言う。 「失望したくないし音をたててドアを閉める」と語られた、 「にんげん」への線...
何故線を引くのか。 何故壁をつくるのか。 この詩人が対峙する関係にはいつも区切りが入る。 大きな壁を隔てた私とあなた。 「にんげんがすきなのだよ」と詩人は言う。 「にんげんがすきだから」とも詩人は言う。 「失望したくないし音をたててドアを閉める」と語られた、 「にんげん」への線引き。 失望が続けば絶望になる。 絶望が続けば何もかもがどうでもよくなる。 壁なんか壊せばいいと思っていたけど、なんか分かる気がする。 僕もまだ当分、人間のこと好きでいたい。
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この人は、詩人だと思う。書けば詩になる人。表現方法としての詩、なになにとしての詩ということでなく、なにも限定されない原初の詩。 言葉が妥協していない。生きにくいだろうなと思う。でも、ほんとは、だれにとっても生きにくいはずなのだ。誤魔化さなければ。誤魔化しのないところで成り立ってい...
この人は、詩人だと思う。書けば詩になる人。表現方法としての詩、なになにとしての詩ということでなく、なにも限定されない原初の詩。 言葉が妥協していない。生きにくいだろうなと思う。でも、ほんとは、だれにとっても生きにくいはずなのだ。誤魔化さなければ。誤魔化しのないところで成り立っている詩。
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