悪魔の文化史 の商品レビュー
悪魔の概念を軸にしたキリスト教史。 「悪魔がいるって、一神教的な概念と矛盾しない?」という問題意識が、キリスト教初期から存在しているのがおもしろい。 アメリカに関する記述が、映画などのサブカルチャーに限られているのが非常に残念。キリスト教原理主義が強いアメリカならではの悪魔感があ...
悪魔の概念を軸にしたキリスト教史。 「悪魔がいるって、一神教的な概念と矛盾しない?」という問題意識が、キリスト教初期から存在しているのがおもしろい。 アメリカに関する記述が、映画などのサブカルチャーに限られているのが非常に残念。キリスト教原理主義が強いアメリカならではの悪魔感があると思うんだよね。
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訳:平野隆文、原書名:Le diable(Minois,Georges) 闘争の神話ならびに旧約聖書における悪魔の始まり◆ユダヤ=キリスト教の悪魔の密かなる誕生◆中世の悪魔の多様な諸側面◆大いなる悪魔の時代(14世紀~16世紀)◆悪魔祓いと懐疑主義(17世紀~18世紀)◆スーパー...
訳:平野隆文、原書名:Le diable(Minois,Georges) 闘争の神話ならびに旧約聖書における悪魔の始まり◆ユダヤ=キリスト教の悪魔の密かなる誕生◆中世の悪魔の多様な諸側面◆大いなる悪魔の時代(14世紀~16世紀)◆悪魔祓いと懐疑主義(17世紀~18世紀)◆スーパースターとしての悪魔(19世紀・20世紀)◆悪魔、その見せかけの退場
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訳が悪いのか原本が生硬なのかわからないけど、なんか読みにくさがあった。 とはいえ、古今東西(いや、ほとんど「西」か)の「悪魔」の概念の変遷について広く浅く(たぶん)記述してくれているのはありがたい。 冒頭に出て、その後もちらほらと出てくる、「世界は悪魔を必要としている」という考...
訳が悪いのか原本が生硬なのかわからないけど、なんか読みにくさがあった。 とはいえ、古今東西(いや、ほとんど「西」か)の「悪魔」の概念の変遷について広く浅く(たぶん)記述してくれているのはありがたい。 冒頭に出て、その後もちらほらと出てくる、「世界は悪魔を必要としている」という考察が面白かった。
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「現代の神学者たちが、怪しげな装身具用の棚にこっそり追いやってしまった悪魔は、新たな二重のキャリアを歩み始めたように思われる。つまり、人文科学の内部と、商業的な流通経路(前章で論じられていたように、音楽、芸術からコマーシャルや映画に至る分野を指す)の双方において、新たな道を歩み始...
「現代の神学者たちが、怪しげな装身具用の棚にこっそり追いやってしまった悪魔は、新たな二重のキャリアを歩み始めたように思われる。つまり、人文科学の内部と、商業的な流通経路(前章で論じられていたように、音楽、芸術からコマーシャルや映画に至る分野を指す)の双方において、新たな道を歩み始めたのだ。そのいずれにおいても悪魔は、伝統的な概念の一切合切をいつでも再生・利用しつつ、それらを、まったく新しい外装のもとに再び売りこなしていけるはずだ」 ー 182-183ページ 非科学的・非事実的と指摘されて追放されたものは悪魔にかぎらず、このような道を辿っていくのだと思われる。つまり、「正しい」という哲学的な舞台から、「魅力のある」という美学的な舞台へ。 そちらの舞台に身を移してしまえば、今度はどのような教説をもっているかというよりも、登場するキャラの魅力とかが主眼になってくるわけで、サブカルチャーとの親和性の高さのほうがむしろ注目されてくる。 というわけで、サブカルとどの程度親和性があるかで今後の宗教発展も変わってくるというお話。「まあ昔からそうじゃね?」という気もする。
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※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 変幻自在で、軽やかな肉体をもつ、空中に住むサタン―悪魔は、今も存在している! 聖書が誕生するよりはるか昔のバビロニアに起源をもつ「彼ら」が、神や権力に対する抵抗のシンボルとなってゆく四千年の歴史を、詳しく解説する。 文学・映画・音楽などの、親しみやすい切り口からも語る、悪魔史入門の決定版。 [ 目次 ] 第1章 闘争の神話ならびに旧約聖書における悪魔の始まり 第2章 ユダヤ=キリスト教の悪魔の密かなる誕生 第3章 中世の悪魔の多様な諸側面 第4章 大いなる悪魔の時代(十四世紀~十六世紀) 第5章 悪魔祓いと懐疑主義(十七世紀~十八世紀) 第6章 スーパースターとしての悪魔(一九世紀・二十世紀) 第7章 悪魔、その見せかけの退場 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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