開発途上国におけるグローバル化と貧困・不平等 の商品レビュー

リチャードコール(著者),及川裕二(訳者)

2012/01/18

アフリカにおける不平等の重要な側面は農村部と都市部の巨大な格差であるが、これはグローバル化よりもむしろ植民地時代に原因がある。長く続く社会・経済危機のあいだに都市経済は悪化し、貧困層の所得が地方におけるよりも低い都市もある。しかし貧困は依然として農村部に集中し、アフリカにおける不平等は世界でも最悪の部類に入る。

貧困層に対するグローバル化の影響は貿易自由化のみによって決定されるわけではなく、諸国が需要側の補償政策を用いて対応してきた仕方によっても決定される。

グローバル化が不平等に影響を及ぼすのは、資産分配が一定しており、一連の精度や政策は据え置いたままにさまざまな資産の収益率を変化させうる場合である。

グローバル化が不平等や貧困を拡大する傾向があった場所は、グローバル化が生産資産の分配に元々存在していた不平等を臓幅したり、制度上の弱点や硬直性の影響を拡大した場所であることがほとんどである。