人はなぜ泣き、なぜ泣きやむのか？ の商品レビュー

トムルッツ(著者),別宮貞徳(訳者),藤田美砂子(訳者),栗山節子(訳者)

2012/09/10

涙を流して泣くのは人間だけ。
生理的に泣くのは、それが快楽だかららしい。
泣くことで痛みや苦しみを訴えるだけでなく、辛さを軽減する機能もあるようだ。
血中のストレス物質を排出する機能があるようでもあるが、全編にわたって「そうとも言い切れない」という論調で、結局のところ詳しいことはわかっていないのだと。
涙を研究する科学者がほとんどいないのがその理由。
「私たちの感情生活の証の中で、涙ほど実体がありながらはかなく、誰の目にも明らかでありながら不可
解なものはないだろう。」
という筆者の言葉通り。
涙を科学的に研究した本がもっと
読みたい。

2009/10/04

なかなか面白かったんですが、ある仮説が出てきて「実はソレ嘘でしたー」みたいなことの連続なので疲れて半分で途中放棄。
宗教での涙の解釈。
生物学的な意味での涙。
心理面での涙の効用。
などなど。色んな側面から涙の意味、涙の出る理由、意図をまとめている。
涙の成分がその流した涙の意味によって構成物質が異なるは面白いなぁと思いました。
目にごみが入った時と、悲しくて泣く時と若干異なってくるらしい。

四六時中グズグズ嘆き悲しむのは体に悪そうですが。
普段普通に生活していて何かあった時にワッと泣くのは実際のところ体にイイらしい。
さすがに「マイナス感情を物質として涙が体から出している」とハッキリは確定できないそうですが。
なんらかのカタストロフィーとして作用するようだ。

涙を流した時に水っぽい鼻水とかでますが。
じつは涙が目から溢れ出しすぎて容量オーバーした時に目と鼻に繋がっている管を通して鼻からも排出されるというのは知らなかった。

また、涙を流すことを指示するのが交感神経なのか副交感神経なのかというと、副交感神経系だというのも面白い。
交感神経系は体の中で「機関車の石炭を投げ込む」みたいなアップ系。
副交感神経系はクールダウンさせる系。
泣き出して感情を剥き出しにしてアップさせるんじゃなくって落ち着かせるためのものなのかなぁ。